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旅の記憶(エッセイ)

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これまでの一人海外旅のエッセイです。実際の旅の順とは関係なく、基本的に一話読み切り。今は2005年のオーストラリア一周の旅を時系列で書いています。(古い情報も含まれますので実際に…
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#ブラーノ島

【旅の記憶】夕暮れのザッテレ(旅のなかの旅 ブラーノ島③)

ブラーノ島には結局4時間ほど滞在しただろうか、このユニークな島との別れを惜しみつつヴァポレット(水上バス)へ。 暖かい船内で少しうとうとしながらフォンダメンタ・ヌオーヴェに戻る。 空がまだまだくっきりと美しく、座ってちょっと休憩したいと思いつつ、結局てくてくと本島を縦断する形でサン・マルコ広場へ向かう。 この辺りは初めて歩く場所であり、名も知らぬ教会のファサードが綺麗だったり、やはりヴェネツィアはどの路地を通っても興味深い。 通ったことのない道を珍しがっているうちに、本島の

【旅の記憶】島の散策とにぎやか有料トイレ(旅のなかの旅 ブラーノ島②)

いよいよブラーノ島へ上陸。のっけから鮮やかな建物たちがお出迎えしてくれる。 少し歩くと湾曲した水路のあるメインストリートと思われるところへ出た。 この水路に沿って可愛らしい家が軒を連ねている。 まるでレゴブロックを積んだような建物は、外壁とはまた別の色で窓枠やドア、鎧戸が塗られている。 訪れた日は年末だったが、クリスマスの飾りを残している家も多い。 更には二階の窓にロープを渡し、洗濯物をずらりと干している家も沢山ある。 下着などもお構いなしで最初はどぎまぎしたが(だって青い家

【旅の記憶】ヴェネツィアの裏側を抜けて(旅のなかの旅 ブラーノ島①)

ヴェネツィア旅行時に泊まっていたリド島のヴァポレット(水上バス)乗り場から、 いつもとは違う路線のヴァポレットに乗船した日があった。 目的地へ向かうため、まず目指したのは本島北側のヴァポレット・ターミナルとでも言うべきフォンダメンタ・ヌオーヴェ(新しい河岸)駅。 本島といってもそんなに大きな島ではないので、 いつも本島へ観光へ向かう時に使う路線に乗り、サン・マルコ広場辺りから徒歩で北上しても到着するのだが、 時間節約のため別の路線を使ってみることにしたのだった。 心配なので