【書評】『イマジナシオン』toron*歌集
あちらこちらの評ですでに書かれていることと思うが、
一首の立ち姿が美しく完成されている歌が多く、
メモしていたらメモだらけになって、困っている。楽しい困惑。
真っ白いジグソーパズル落ちており ではなくすべて花びらだった
果てしない夜をきれいに閉じてゆく銀のファスナーとして終電
その喉に青いビー玉ひと粒を隠して瓶はきっと少年
その街のLoftの袋を提げたとき灯りのひとつになれた気がした
作者が「何かを何かに見立てる」とき、想像もしなかった情景が鮮やかに立ち上がる。
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