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歌集評・一首評・その他書評

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2024年2月の記事一覧

【書評】『cineres』真中朋久歌集

来し方も行く末もあるはおそろしく泡だちて寄せる水を見てゐつ 過去も未来もあることが怖いという。 主体は何に怯えているのだろうか。 過去がたくさんあるということは、歳を重ねて責任など重いものを 抱えて生きていくということにもなるだろう。 未来はどうか。行く末があることは明るいことのように思える。 でも、この先どうなるかなどわからない。 わからないのが恐ろしいのかもしれない。 泡立って寄せる水は、海かもしれないし、もっと小さな流れかもしれない。 ただそれをじっと見つめている主体