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歌集評・一首評・その他書評

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歌集評や同人誌などの一首評、小説の書評です。
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2023年12月の記事一覧

【書評】『やさしいぴあの』嶋田さくらこ歌集

瑞々しく、時にちょっと意地悪。 無敵のようであり、とても弱々しい瞬間もある。 そんな相聞歌で、この歌集は軽やかに幕を開ける。 くちびるに押し込むチョコの一粒がくれる甘さで生き延びている 日曜のまひるあなたを思うとき洗濯ものもたためなくなる 暗闇でわたしに触れた人の眼に卵を孵す静けさがある かきつばたすみれやまふじれんげそう 夏が始まる前に触れたい チョコの一粒は恋の味である。 甘くてビターで小さく愛らしい。 その一粒を口に押し込み、その甘さで今日を生き延びるという。