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歌集評・一首評・その他書評

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2022年7月の記事一覧

【書評】『雪麻呂』小島ゆかり歌集

人、人でないもの、動物、昆虫。 沢山の登場人物がゆきかう歌集だが、騒がしいわけではない。 優しく、はかなく、温かい。 全編を通して、わかりやすいシンプルな表現の歌集。 その分、読者の胸にすっと入ってきて、 気づけば様々な感情を手渡されている。 ひかり濃くたまるまひるの薔薇園にひとつひとつの棘生きてをり 白鳥の池に雪ふりゆきのなかにやはらかく立つ天然の頸 三羽ゐて二羽きて五羽きて一羽発ちみな飛び立てる鳩のなりゆき 生くる蟻が死にたる蟻を通過する夏のいのちの無限数列 お