【書評】『音楽』岡野大嗣歌集
歌集全体を通して、明るさや楽しさを醸し出すのは、
辛さや怒りを醸し出すより難しい、と思う。
それをこの歌集は、鮮やかにおこなっている。
そして明るさや楽しさは、せつなさも伴ってくる。
なぜなら明るく楽しい時間は有限だとみんな知っていて、
みんな知っていることを作者は知っているから。
残念ながら次が最後の曲ですと残念をみんなで抱きしめる
持ってるしいつでも聴ける曲やのにラジオで流れるとうれしいね
大工さんたちが木陰でうなだれて大所帯バンドのジャケみたい
人はみなこころに