私が私でなくなった時の私
なかいです。
認知症は女性の場合、子育て期に戻ることが多いという話を聞きました。もちろん、個人差はあるでしょうが。
子どもを保育園にお迎えに行こうとしたり。小学校から帰宅しないと心配したり。
それだけ、想いが強い時期なんでしょう。
私の場合はどうなるのかなと思いまして。なんとなくですが、20代の一人暮らししてた頃に戻るんじゃないかなという気がします。
自分のアイデンティティが完全確立した時期で、今でも考え事しているとふとその時代に戻ることがあるからです。
今のところ親族に認知症は居ないのですが、亡くなった祖父は死の直前、せん妄の症状がありました。
認知症とせん妄は根本的に違うのですが、状況を上手く認識できないという点は同じで、介護していたうちの母を認識できていなかったそうです。
父方の祖父だったので、私の母は「息子の妻」。しかし最期まで身の回りの世話をしていた「息子の妻」の事を気にして、せん妄状態にあっても言う事は「○○さんが来たら冷蔵庫に入ってるビールを渡してくれ」「冷蔵庫にビールは冷やしてあるか」だったと聞きました。
女性が婚家の介護をするのが当たり前とみられた時代にあって、最期まで母を気遣い、感謝する人だったんです。
なぜビールだったのかは謎ですが(笑)まぁ多分祖父が考える最高のもてなしだったのでしょう。
その他、「そこの棚に俺の六法全書があるから取ってくれ。もうすぐ俺の葬式があるから挨拶しないと。」とかも言っていたらしいです。
これだけ支離滅裂なのに、高い知性を感じさせるボケ方ですよね。改めて尊敬します。
私が私でなくなった時。私から一体どんな言葉が出てくるのでしょうか。
私自身がそれを知ることはありませんが…。
とりあえず六法全書を棚に置いておこうかなと思います。
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