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「文学」のために

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「文学の可能性」を探っていくマガジンです。YouTube、文学フリマ、句会、映像化、Tik Tok、メンバーシップ等々、文学のために何ができるか考えていきたいと思っています。不定…
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#作家

「虹の予報官」英語版 出版

ようやく、ようやく英語版が出版できました。 果たして外国人に受けるのか? マーロン(本作の主人公)は、世界に羽ばたけるのか? それはともかく、英語翻訳というのは、手間暇時間がかかるのは間違いない。 かつて岡倉天心が「茶の本」を英語で出した時、どんな英語圏に住む人にでもわかるような語句選びに苦心したという。 そして、何よりも自作の英語版出版にこだわってきたいのは、故坂本龍一さんと天童荒太さんとの対談集の中の言葉に影響されたことがかなり大きい。 「それにしても、日本の作家

遙かすぎて見えない、大江健三郎さんが逝く

大江健三郎さんが亡くなりました(すみません、亡くなってからだいぶ時間がたっています。アップしたつもりが下書きのまま忘れていました)。 これまで、本屋さんで目にするような作家の本は、食わず嫌いでも最低限一冊は読むようにしているのですが、実は、大江健三郎さんだけは、一冊も読んでいません(エッセイは別)。 最初に、高校生の時に読んだのですが(題名は思い出せない)、文章が難しすぎて(ファンはその文体こそがいいと言いますが)、見事に挫折しました。 小林秀雄も「文章というものには稚