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よりぬき1

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しばらく数えていないので正確な文字数は不明ですが、10万字を超えていることはまず間違いありません。
それぞれ単体で110円の記事であることを考えるとめちゃくちゃお得になっています!!
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#王室

君主「朕より嫡流が現れた。朕は玉座を譲り渡すべきなのか?」という話

はじめに:王家の嫡流が現れた! ――『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』の二つの王国の事例 そんな、まさか――。若きラインハット国王デールは、思わず己の目と耳を疑った。 「ですが王さま。子分は親分のいうことを 聞くものですぞ」  耳馴染みのあるそんな言葉を囁いた男は、どこからどう見ても、約十年前に拉致され、すでに死んだものと思われていた兄のヘンリーその人だった。本来ならば自分に優先する王位継承者であった兄が今、確かに生きて眼前に立っているのだった。 「兄さん! ヘンリー兄さん 

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現代君主制の希望の星? 世界で相次ぐ「伝統的首長」の復権

File:Benson Ibeabuchi Homowo 2018.jpg ©BensonIbeabuchi(CC BY-SA 4.0)を改変 はじめに:消えゆく君主国 昭和54(1979)年4月11日に、日本社会党所属の衆議院議員・栂野泰二が第一次大平内閣の総理府総務長官・三原朝雄に次のように問うている。  かつて、世界の大部分は君主の治める地であった。だが、20世紀に至り、ヨーロッパでは二度の世界大戦の影響もあって共和革命が続発、さらに欧州植民地のほとんどが共和国とし

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神託で決定、長男を除外、女系男子… 世界の珍妙継承法

はじめに  2020年(令和2年)10月現在、君主制を採っている独立国は世界に44ヶ国ある。政体に関係なく、伝統的首長領を国内に抱えている国も少なくない。また、歴史の流れに抗えずに滅びた君主制も世界には数多ある。これら今昔の君主制をみると、継承方法にはかなり豊富なバリエーションがあることがわかる。  真偽は定かでないが、言い伝えられるところによると「アレクサンドロス大王」の通称で知られる古代マケドニアの王アレクサンドロス3世は、崩御に際して「最強の者が帝国を継承せよ」と遺

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近親婚のしすぎで断絶したはず… スペイン・ハプスブルク家の「末裔」、現る

はじめに ――近親婚と男系断絶―― 『平家物語』に曰く、「娑羅双樹の花の色、 盛者必衰の理をあらはす」。どんなに勢いが盛んな者であっても必ず衰えていくのが世の道理とされる。  ヨーロッパの大部分を版図に納め、栄光ある神聖ローマ皇帝位を世襲し、また「太陽の沈まぬ国」と形容される広大なスペイン植民地帝国を建設するなど、世界史上に稀なる栄華を誇ったハプスブルク家もその例外ではない。 欧州におけるハプスブルク家の版図(1547年)  一族の富を他家に渡すまいと、近親婚を幾度も重

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