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よりぬき1

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しばらく数えていないので正確な文字数は不明ですが、10万字を超えていることはまず間違いありません。
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2020年6月の記事一覧

君主「朕より嫡流が現れた。朕は玉座を譲り渡すべきなのか?」という話

はじめに:王家の嫡流が現れた! ――『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』の二つの王国の事例 そんな、まさか――。若きラインハット国王デールは、思わず己の目と耳を疑った。 「ですが王さま。子分は親分のいうことを 聞くものですぞ」  耳馴染みのあるそんな言葉を囁いた男は、どこからどう見ても、約十年前に拉致され、すでに死んだものと思われていた兄のヘンリーその人だった。本来ならば自分に優先する王位継承者であった兄が今、確かに生きて眼前に立っているのだった。 「兄さん! ヘンリー兄さん 

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現代君主制の希望の星? 世界で相次ぐ「伝統的首長」の復権

File:Benson Ibeabuchi Homowo 2018.jpg ©BensonIbeabuchi(CC BY-SA 4.0)を改変 はじめに:消えゆく君主国 昭和54(1979)年4月11日に、日本社会党所属の衆議院議員・栂野泰二が第一次大平内閣の総理府総務長官・三原朝雄に次のように問うている。  かつて、世界の大部分は君主の治める地であった。だが、20世紀に至り、ヨーロッパでは二度の世界大戦の影響もあって共和革命が続発、さらに欧州植民地のほとんどが共和国とし

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【奇譚】奴隷の子孫、突然王子になる:DNA鑑定でベナンの王家の末裔と判明!

はじめに:先祖への関心 とある民家での会話だ。「うちのご先祖、槍の名人がいたんですって」。鴨居に飾られている一本の槍を指さしながら、少女は語った。  また別の民家での会話だ。「ひいおじいさんが殿様に拝領した盃じゃ」。立派な桐箱の中から取り出した盃を愛おしげに眺めながら、老婆は言った。  よその家の先祖自慢を聞いて、磯野家の長男・カツオはすっかり羨ましくなってしまった。自宅に帰るや、彼は父・波平にこう尋ねた。「お父さん、うちの先祖で有名な人いないの?」  その問いかけに対

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フランス王家の末裔を名乗る謎のインド貴族「ブルボン=ボーパール家」

File:Balthazar I of Bourbon - Prime Minister of Bhopal.jpg©Thubten Namdrol(CC BY-SA 3.0)を改変して作成 はじめに ブルボン家。かつてのフランス王家である。世界史上有数の名門であり、いくら歴史に疎い者でも、おそらくはハプスブルク家やロマノフ家とともにその名くらいは知っていることだろう。  「太陽王」ルイ14世、ヴェルサイユ宮殿、フランス革命に斃れたルイ16世など、フランスの歴史的王朝とし

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