【愛知県の皇室伝承】5.「院之子」の地名起源譚:南朝某院皇子「龍岳禅師」の御墓(豊川市)
南朝皇子「龍岳禅師」伝説 愛知県豊川市に「院之子」という地名がある。昭和八(一九三三)年までは「犬之子」だったそうだ。江戸時代後期に幕府の命令で描かれた『天保国絵図』を確認してみれば、そこには確かに「犬之子村」と表記されている。
地名が「犬之子」から「院之子」に変更されたのは、まったく理由のないことではない。この地域は元々「院之子」や「皇之子」などと呼ばれていたそうだ。
伝説によれば、南北朝時代に南朝のとある院(=上皇)の皇子・龍岳禅師が戦乱を避けて従者とともに逃れて