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愛知県の皇室伝承

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・壬申の乱の敗者、弘文天皇の生存伝説(岡崎市) ・文武天皇が「三河行幸」中に儲けた皇子「竹内王子」(豊橋市) ・なぜか渥美半島に渡った後小松天皇の皇女「松代姫」(田原市) ・うつ…
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2023年2月の記事一覧

【愛知県の皇室伝承】10.順徳天皇の皇女「利慶徳善大比丘尼」下向伝説(岡崎市)

築山稲荷大明神・瑞生山総持寺  愛知県岡崎市中町に、瑞生山総持寺という曹洞宗の寺院がある。明治時代初期までは男子禁制の尼寺で「総持尼寺」と称していた。  あくまで伝説の域を出るものではないが、この寺の創建には、皇室が深く関わっていると伝えられている――。  人皇第八四代・順徳天皇(※林自見正森『三河刪補松』によれば第五三代・淳和天皇とも)の御代にあたる、建保二(一二一四)年秋のことである。怪しく光る謎の物体が夜な夜な宮中に飛来し、順徳天皇の皇女の一人が病床に臥せってしまわ