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『わかりやすさ』の秘訣とその限界とは?

はやいもので2023年も残すところ2週間となりました。
今回のテーマは「『わかりやすさ』の秘訣とその限界とは?」です。

「わかる」とは「分かつ」こと、即ち過去蓄積した経験や情報等に照らして、自分に入ってくる『新しい信号』を当てはめることだと私は捉えています。

脳内にある分類箱にその新たな信号を収めていく感じです。

従って「わかりやすい」という現象は、相手の分類箱に収まるように、信号を提供することです。

たとえ話がわかりやすさを助長するのはそういった理由からです。

そのため、わかりやすく伝えるためには、相手の分類箱の質感、即ち経験の幅と質が、どのようなものであるのかを察知できるかが第一歩となります。

それは、相手のことを誠実に真摯に知ろうとする、配慮のある行為に他なりません。

同様にこのことは「わかりやすく伝える」ことが、ミスリードを誘発するという限界を孕んでいます。

新しい『信号』を相手に提供する際に、相手の既存の分類箱に合わせた発信をした結果、「わかった気にさせてしまう」可能性があります。

伝えたい内容が、相手の経験の地図から外れていればいるほど、基本的に相手はそれをわかりようがありません。

にも拘わらず、その人の分類箱に合致するように信号を発してしまうと、相手は学習する機会を逸し、誤解することになります。

それは、出産の痛みを男性はわかりようがないのに、「靭帯を束で切ったのと同じくらい痛い」と伝えて誤解させることに似ています。

「出産は鼻からスイカが出るくらい痛い」と聞いたことがありますが、そのくらい痛いのであれば、男性にはもはや、わかりようがありません。

従って大切なことは、どこからわかりようがない領域なのかを明確にし、それをわかりやすく伝えることです。

そして、その地図を広げるべく新しい経験へとその人をご招待する。

そう思うと、「わかりやすさ」とは、相手への愛情表現そのものだと思えてなりません。

                                     
「あなたが心を尽くして伝えたい想いは何ですか?」 

    

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