変化の激しさに伴って盲点になりがちなことは?
私は昔から極限状態における人の思考行動に興味を惹かれる傾向があります。
それはおそらく、人間の狂気と可能性に対して、「怖いもの見たさ」のような感覚があるからだと思います。
また、自分自身が極限状態に置かれたときに自分を保っていられなくなる感覚もあることから、予め予期しておきたいという欲求もあるからかもしれません。
そうした自分の傾向があるためか、仕事においてテーマとしていることも、「環境変化の激しい状況下において、私たちに問われるものは何か?」に極端に偏っているように思います。
ファーストキャリアであったコンサルティング会社においても環境変化の激しさに伴う変革の必要性を訴えていたことから、私のテーマは30年に渡って変わっていないとも言えます。
そんな中で、3年前くらいの年始挨拶のメールに私が記載させていただいた内容に対して、クライアントの経営者の方が反応を示してくださったことに、私自身ハッとしたことがありました。
私にとってはいつの間にか当たり前になってしまっていたものの、その経営者の方にとって新鮮に映ったというこの出来事は、「環境変化の激しさに伴って、多くの人の中で盲点となりやすいことがある」という気づきを私にもたらしてくれたのでした。
さて、環境の変化が激しくなればなるほど、多くの人の中で「盲点」になりがちなことは何なのでしょうか。
私はそれは、変化の激しい中だからこそ流されることなく、そして意固地になるわけでもないしなやかさが問われているということではないかと思います。
流されれば自分を見失い、意固地になれば選択肢を見失ってしまいます。
なぜなら、環境変化が激しいほど目先の変化に惑わされやすくなるか、活動を過去のパターンを中毒的に繰り返していることに気付きにくくなるためです。
自分を見失うことなく選択肢を生み出し続けるために必要なこととは、「自分の根っこ」につながり続け、観察を行い、洞察によって意味づけをしていくことではないかと考えます。
これは、自分の「内側」と「外側」の変化の両方に目を向ける必要があるという事です。
ではまず、自分の根っこにつながるとはどういう事なのでしょうか。
それは、「自分が本当に大切にしたいことは何か?」「もし明日死ぬとしたら何を選ぶか?」という究極の問いに身を置いたとき、浮かび上がる答えこそが「自分の根っこ」に近いものでしょう。
そして「外側」の変化に対する観察と洞察をすることについてです。
当たり前のことを言うようですが、見えていなければ「見間違え」が起こります。
観察を行うにも先入観を廃する必要があり、それはU理論でいうダウンローディングの状態にならないようにするということです。
洞察をするにも、起こったことへの意味付けで欠けていることがあれば、次に起きたことに対して出たとこ勝負をせざるを得なくなったり、青天の霹靂のような出来事に振り回されてしまうことになります。
私たちは先入観を廃して観たところから、自分はそこから何を見出すのかができるようになる必要があるということです。
すなわち、環境変化ということが私たちに突き付けているのは、環境変化が激しければ激しい状況であるほど、それに惑わされないようしっかり外側を観察し、同時に自分の内側を整え続けていくことではないでしょうか。
そして、「自分の根っこ」につながればつながるほど可能になる事があるとすれば、人生の節目など重大な決断を迫られた時に「これまでの自分を遥かに凌駕した存在からの知恵を得られるようになること」だと思います。
エグゼクティブコーチングをご提供したある経営者の方から、先日次のようなコメントをいただきました。
「以前は、なかなか見通せない将来への不安と、過去を否定したい気持ちから自分に自信が持てませんでした。
しかし、次第に、「自分の道はちゃんとある。過去も未来も関係ない」と思えるようになったのです。
そうすると、”今”の自分を表現しきることに目が向き、力が使えるようになりました。
次第に、周囲からも『一緒にいたり、お話を聞くと元気がでる』と言われるようになりました」
戻らない過去に囚われ、予測不能な未来に振り回されるのではなく、今の自分が本当に何をしたいのか、「根っこ」の声に耳を傾けること。
そして、この先の人生において様々な岐路が訪れようとも、自分の内側から湧き上がる知恵の声がきっと導いてくれるという信頼を持つことが、これからの激動の時代に求められることであると思います。
あなたの「根っこ」の声が問いかけていることは何ですか?
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