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狛犬が教える逆境の乗り越え方

逆境下において、「なんとかしなきゃ」という声と「なんとかなる」という声が堂々巡りし、長い間決着がつかない時は、誤った問いの中にいる可能性があります。


アインシュタインの有名な言葉に「問題を創り出したのと同じ思考レベルでは、その問題を解決することはできない」というものがありますが、2つの声が堂々巡りしている状態というのは、まさに問題を創り出した思考レベルで解決しようとしていることの限界なのです。

これを突破するには2つの声を生み出している前提に着目することが欠かせず、自分の中の「見えない定説」を見ることが必要になります。


神社の2匹の狛犬は、それぞれが「逆説」と「混沌」を意味し、その先にある神社の本殿・本堂は「真実」を示しているそうです。
つまり、自分がはまり込んでいる「定説」に対する「逆説」と、それによって生じる「混沌」の先に、物事の本質があるということを狛犬は示唆しているのです。


逆境下で浮かぶ思い煩いや前向きな声というのは、その人自身の中に「より良い人生を送るためには、よりふさわしいやり方があるはずだ」という前提があります。
もっと言えば「人生に起きることに人は抗うことができるのだ」という定説が存在しているのです。

しかし長い間問題が決着しない状態というのは、この定説がそもそも通用しないことを意味しています。
その打開には、定説を覆すこと、つまり「そもそも人生には抗える余地はなく、一切合切なすがままでしかない」といった逆説に立つことが必要なのです。

そうして逆説に立った瞬間に現れるのが「そんなはずはない、そんなことはあってはならない」という混沌です。

この思考のパニック状態は少しの間続きますが、混沌の中に自分を預けることで次第に、自分の思考を巡っていた2つの声は所詮、自分の中にあった前提が誤った問いを作っていたにすぎないということが掴めるようになります。
そうしてはじめて、これまでとは違った景色が広がり、逆境を乗り越えるきっかけを見出せるのです。

いわゆる弁証法的思考ですが、複雑性や不確実性が極めて高い現代においては、演繹法や帰納法的アプローチは限界で、弁証法的思考でしか状況を打開できないのではないかと思います。

突如勃発したCOVID19のパンデミックによって引き起こされた様々な出来事によって、私たちは、これまでの人類では通用しない領域にいることを思い知らされ続けてきました。

そうした中で重要なのは、現状にとにかく抗おうとする態度でもなく「なんとかなるさ」とただ身を任せるわけでもなく、
「自分には見えていない何かがあるのではないか」
という問いを自分に向け謙虚に向き合う姿勢だと思います。

                                
あなたが自身の中にある「見えない定説」に気づいたとき、
立ち現れる景色はどのようなものですか?
       
                                

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