『氷壁』 井上靖
ここ2、3ヵ月、なんだか井上靖さん月間が続てますが、今回は少し趣向を変えて、歴史小説から離れてみようと3年前から登山を始めたこともあり、『氷壁』を手にしてみました。
が、これ山岳小説じゃなくて、山を舞台にした恋愛小説じゃない！
と勝手に勘違いして、突っ込んでおります。
誰かさんとの論争によるものなのか正確な史実と〇〇史観的なものとは距離を置いた井上さんの歴史小説が好きなのですが、この作品では、その井上さんの良さが何か少しこの…人物描写においてちぐはぐな感じがするというか、なんというか。
2/3ぐらいまで少し冗長な感じがしたのが、1/3はぐっと入り込めたりとつまらないわけじゃないんですが、あとがきで佐伯彰一さんとが書いたのとはまた違った感じ？で、やはり人間が描き切れてないような感じがします。
常盤支社長とかおるはともかく、3人の主人公の魚津、小坂、美那子、特に美那子がなんとも。
そんなこんなで、井上靖さん自身を全然知らなかった私は、福田宏年さんの後書きが本編以上？に面白かったりしました。
(井上靖さんのご親戚なんですね。納得。)
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