大九明子監督作品「甘いお酒でうがい」を見るべき7つの理由。それは絶望と仲良くする処方箋かも知れない。【おすすめ映画163】

2020年公開

監督:大九明子
脚本:じろう(シソンヌ)

猫はいない。待ち受けの中には、いる。

1. 簡潔な優しい独白が続く。枯れたアメリ。

だらだらした芸術が全部嫌な人には、ちょうどいい。

2回目以降の視聴はBGMでもよい。「ミツバチのささやき」(ビクトル・エリセ監督作品)的。

監督様には失礼だが、3回目以降は、音楽の代わりに聴くもよし。そういう楽しみ方もあり。したがって、配信レンタルではなくて、購入すべし。

2. 孤独とは違うが、孤独を感じないわけではない。

孤独が足りない人はお気楽に見える。

3.「予感」は控え目

予感が多すぎると、観る者は疲れる。観る者を疲れさせず、退屈させない。

予感とペアになるのは予兆。あるいは不吉な予感。それも控えめな方がいい。思わせぶりであることは、下手であることだから。

4. 人生に未練があるのかないのか分からない

分かってしまうとつまらない。その代表格。「人生への未練」。

5. ベルの不在。自転車への愛。

日常を積み重ねるのはよくある手法。日常から小さな引き算もする。それがこの作品の魅力。引き算して、後で足したり。

6. 遅れてしまった女性の「少女終末旅行」

大戦争がなくても、終末は訪れる。大事なものは奪われる。もう探さない。

7. 「さらば肝臓」的CG

現実に立ち向かうには妄想が必要かも。

8. まとめると

終末世界に時折垣間見える、青空。もしもそれに価値が無いとしたら、人生そのものに価値が無いことになる。「達成」の中にある幸せもいいが、「予感」の中にも幸せがある。





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