見出し画像

華麗なる雑談は静かにもぐる #7 [スピンオフ]【説得と芝居】

『さてと、、そう言われてオメオメと黙って引き下がる訳には行かないんだよな』という思いを胸に、青田は人差し指と親指で自身の顎をキュッとつまんだ。特に深い意味はないが青田の言わば癖の様なものである。

しかしそれが何かのスイッチの様なものであるかの様に、青田課長はモクレン商事の桐生に言葉を投げ掛ける。

「まー ビジネスですし 私も青臭い事を言うつもりもないのですが、ところでこの話 随分とフライング気味じゃありませんか?メーカーである当社と商社である御社、まだ二社間の打合せです。販売店であるホエールストアは未だ不在の状態です。三社 出揃わない内からこちらだけでゴタゴタしてる。あまり浮き足立つのは良くないでしょう。」

桐生が一瞬眉をひそめるのが見えた。
やはりこの点から攻めるのが良いのかもしれない。

ここから先は

2,193字
この記事のみ ¥ 100

ここのコメントを目にしてくれてるってことは最後まで読んでくれたってことですよね、きっと。 とっても嬉しいし ありがたいことだなー