#推し短歌『同級生の推し作家に百合妄想がバレた結果』


支えられながら支えてぱったんと「人」という字が前へたおれた

括られたアルファベットの(たよーせー、ってか?)ゴツゴツで泡が壊れる

浴槽の花殻が減りようするに捨てられたくないから捨てたんだ

たとえば時代が国が言葉が違ったら出会えずにいた あってしまった

見上げられ見下ろすときのこんなにも埋める隙間のあるうれしさを

足りなさも余分も重なりあえばこそ性語辞典を居間の書棚へ

ただの恋です普通に夏の花なんですほんといっしょにいたいだけです

陽光に言葉を編んで贈り合う「好きだ」以上をきみと知るため


#推し短歌

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『同級生の推し作家に百合妄想がバレた結果』(紺色3号 海星社)

タイトルのとおり、いわゆる百合漫画です(性的描写無し)。
重度の百合オタクであることを周りに隠しているお嬢様女子高生、西園寺ジュリ。
ひょんなことからそれがバレた相手は、同級生で、かつ彼女イチ推しの小説家・立花ひろみだった。
少しずつお互いを知り合いながら、ファン&作家から友達へ、そして……。

基本、ラブコメ4コマ漫画です。
「ロミオとジュリエット」をモチーフにしつつ、世間や友人家族の目・〈価値観の多様化〉という名の混沌・自分自身が気付かなかった偏見などと向き合いながら、対話と成長を繰り返してハッピーエンドへ進んでいきます。

百合好きのみならず、オタクと呼ばれるほどの趣味を持つ人、何かに執心することを楽しめる人には、たまらなく刺さる作品です。
あと、絵が可愛い。

試し読みはこちらから。
ぜひ、どうぞ!




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