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社労士そこそこ短期合格〜しろうとが8ヶ月550時間で一発合格した一例〜

 社会保険労務士試験(2023年8月末実施)に、働きながらの初学者が1月からの勉強で合格した実体験。純粋に個人の主観でしかないけど、使った教材、その有効度など紹介したい。試験本番の雰囲気、その他随時思ったこともざっくばらんにお伝えできれば。
 n=1で再現性不明の合格体験だが、不安や焦燥に駆られながら社労士を志す多くの人のうちのたったひとりにでも、気休め程度の参考になれば、という思いで、備忘録的に記す。

背景

 勉強開始時、30歳正社員。資格は運転免許のみ。私大文系卒。高校時代の偏差値は60前後(基礎的学習力の参考までに)。
 将来的に独立可能で長く働けそうな点に惹かれて漠然と社労士を意識し始める。右も左も分からないため独学は無理と判断し、値段が手頃なスタディングを選択。秋ころに「年明けからがんばるぞー」と決める。試験に関するメタ情報を集めすぎても合否にはあまり影響しないだろうし迷うだけなので、あれこれ手出さずに決めたところで頑張るのが吉と見る。

雑感

 終えた感想としては、普通の人がそこそこ頑張れば受かる可能性は平等にあるかな、と。人並み以上の能力もしくは努力、その両方が要らないとおもわれる。極めて凡人の自分はサボる日もありつつ1日2〜3時間くらいの勉強をした。基本2時間かな。やる気出ない日は30分だけぽちぽちやって次の日3時間とか。休みの日がんばって5時間やっちゃうなんて日も稀にある感じ。
 ただ、全くやらない日はなるべく作らないようにした。詳しくは後述するつもりだけど、5分でもいいからまいにち触るだけ触るのをけっこう大事なした。
 具体的な勉強時間としては300時間超えたあたりから勝負の土俵に乗れた感じ(出題難度が得意分野に偏れば受かりそう、ぐらい)。それ以下だとどんなに頭が良くても知識の詰め込み・定着の絶対量が足りない気がする。1日3時間できるなら、半年でも受かる人は受かるかも、とは思った。ただ、発想・思考で解ける試験ではないので、瞬間記憶能力でもない限りどうしても暗記に割く絶対的な時間は必要なのではないかな。初学者の場合。
 逆に500時間超えたあたりからはあまり伸びを感じられなかった。全体を3〜4週して基本的なところ固めたあとの細かい論点つぶし。脳みそガバガバの網目から抜け落ちていく記憶の拾い直しと、キリのない知識の穴埋めで、どうせ運ゲーでしかないくじ引きの確率をあげようとするかのような徒労感。
 一般的には500〜1000時間必要と言われているみたいだけど、たとえばあと500時間やったとして、「絶対に受かる」と思える実力がついたかどうかは疑問だなあ。やってないからわからないけど、頭打ちな感じもあった。最終的に550時間やって、手応えとしては合格率70%くらいの感触でフィニッシュ。
 内容がつまらない(社会保険が面白くてたまらないというひとはなかなかいないのでは)のが辛いけど、常人に理解ができないほど複雑なものや高度な内容はないので、月並みな結論だけど諦めずに淡々とやったもの勝ちかな、と。量は多いけど、内容は難解ではないので。
 労働法にしても社会保険にしても、当然のことながら実際に現実に運用されている制度なのだから、自分や身近な人の人生に当てはめながら勉強していけば、頭に入りやすい。変に「勉強勉強!」と意気込むより、自分の職場にこの制度あるか?いま死んだら家族はこれ使えるのか?ばあちゃんこの年金もらってんのかな?とかなんとか、具体例で考えながら呑気に進めたのが結果的にはよかったかな。

使った教材

①スタディング社会保険労務士試験講座
https://studying.jp/sharoushi/
おすすめ度★★★★
 予備校やほかの通信講座と比べると安価なので選んだが、内容に過不足はないと思う。他と比べてないのでクオリティはなんとも言えないけども。講師はやや早口でユーモアなどは特にないが、取り立てて嫌なところもない真面目な感じ。順番に講座内のテキスト読みながら動画見て、愚直に講師の言うことに沿っていけばこれだけでも合格ラインには届くのでは。
 社労士試験は似ている専門用語も多いし細かい知識が問われるので、「こうすると覚えやすいよ」とか「こことここ似てるから注意よ」とか「ここであれ思い出して」とか、そういうちょっとした補足がありがたい。一見些細だし講座としては当たり前のことだけど、テキスト追ってるだけでは絶対に無理なことで、そういうとこで明暗分かれる気がするので、やっぱり専門家に講義してもらう、っていうのは必要だと思う。身も蓋もないけど、何年も試験見てる専門家の言うこと信じた方がいい。
 あと、AIが自動で問題出してくれるやつでスキマ時間にソシャゲ感覚でぽちぽちできるのもいい。似たような機能はどの講座でもありそうだけど。一日ごとに100問くらい出してくれるやつノルマにしてやってた。
 選択式の練習問題が少ない点は不満だったが、補うための教材がかならずしも必要かと問われればうーん、なくても受かるかもね。
 あともうひとつ不満点、アプリやブラウザでやる以上しょうがない面もあるけど、総覧性がない。「あそこなんだっけ、ちょっと見直したいな」って時にいちいちどの講座か探して開いて〜、ってするのがだるい。検索機能も一応あるけど精度が使い物にならなかった。改善されてるかも?
 それでも、勉強時間も記録できるし、実力数値化もしてくれるし、あれこれ旗振って誘導してくれるので、感謝してるし満足度十分高い。 
 自分は使わなかったけど、勉強仲間を見つけたりもできるらしいので、よろしければ。

②選択式徹底対策問題集
2024年版 出る順社労士 選択式徹底対策問題集 2024年版 出る順社労士シリーズ(自分が使ったのは2023年版) 
https://amzn.asia/d/4QDUZhC
おすすめ度★★★★★
 絶対やった方がいい、と思う。誇張すればスタディング(択一対策)とこれ(選択対策)だけで受かったと言ってもいいかも。結局あれこれ手出した中でこれだけは心底やって良かったと思ったので、つよく薦める。2023年の試験では条文の問題がドンピシャで出てるんじゃないかな。
 問題数多いながらマニアックなものはなく、基礎的な内容を満遍なく穴埋めにしてくれるので序盤から終盤まで繰り返し使える。自分では勉強して覚えたつもりのところが、穴埋めにされた途端解けなくて最初は絶望するけど、だからこそ有効度をひしひしと実感できる。勉強の方向づけもわからせてくれる一冊。厚さにもびびるけど1ページ1問なのでさくさく進めるし「やった感」も出るのでモチベーション維持にもおすすめ。
 この一冊を完璧にできないうちはかなり不安だけど、この一冊を完璧に解けるなら十分合格ラインなのでは、というメルクマールとしても優秀な、とことん素晴らしい問題集。ほめすぎかも。
 

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