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雑談日和-#3 柿のはなし


近所のスーパーで買った柿

 秋になると、スーパーに並ぶ柿を見てついつい手が伸びてしまう——そんな人、きっと僕だけじゃないはずです。実は僕、柿が大好きな果物なんです。子どものころは田舎育ちなので、もっと贅沢でした。親戚や友達の家に柿の木があることが普通で、秋になると「これでもか!」というくらい貰えるのでした。

 そんなもんだから子供の頃は柿をスーパーで見かけることなんてなかった気がする。考えてみると、それもそのはず。柿はそこらじゅうで手に入ったからですね。文化祭のシーズン、美術の時間に外で写生をすることが多かったけれど、僕は決まって柿の木の近くを陣取っていた。柿を描くふりをして、ちゃっかり一つ失敬して食べる。それが僕の秋の楽しみだったのです。
おおらかな時代でした。

 最近の柿事情はちょっと変わった気がします。スーパーで売っている柿は、ほとんどが種無しで、実が柔らかい品種ばかり。もちろんそれも美味しいけど、僕の好みは違うんです。実がしっかりと固くて、種がしっかりあるやつ。そして、実の中に黒い「ごま塩」模様が入っているものが最高だと思ってます。

 最近そんな理想の柿に出会えるのは年に数回。近所のスーパーで偶然見つけたときの喜びといったら、まるで宝くじが当たったような気分です。(ちょっと大袈裟か😆)今年も何度か買うことができて、秋の小さな幸せを満喫しました。

 「庭に種を植えたらどうだろう?」と考えたこともあるけれど、桃栗3年柿8年だから、柿の木が実をつけるまでには8年もかかる。だから「まあ、さすがに8年は待てないよな」と諦めています。でも、そんな思いを抱かせるくらい、柿って僕にとって魅力的な果物なのです。

 秋の味覚の王様、柿。その存在は、僕に季節の移ろいを感じさせ、小さな幸せの大切さを教えてくれるもの。あなたにとって、柿はどんな思い出の味だろうか?

2024/11/14

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