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BDRチーム立ち上げ時のチェックポイント

*主にビジネスリーダー、インサイドセールスマネージャー向けの記事です。

結論

  • まず投資対効果の試算しよう。

  • 目的を定義しよう。

  • QCDを想定しよう。 (品質、コスト、納期)

はじめに

BDR(Business Development Representative)。
主に
・大手企業の新規開拓をメインミッションとしたインサイドセールス部隊
・全く接点のない役員へのアウトバウンドを実施し商談機会を創出
として認知されています。
多くの企業にとって大手企業との大型取引の成立はビジネスの成長に重要な要素であり、そのためにBDRチームに取り組む企業も増えてきました。
本noteでは立ち上げ時、立ち上げを検討している方に向けたポイントを解説いたします。

まず投資対効果の試算しよう

まったく接点のない大企業の役員のアポイント。1ヶ月に何件獲得できますか?手紙を送り役員のアポイント獲得を代行してくださる会社の方の営業を受けたことがあるのですが、アポイント獲得率(アポイント数 / 社数)は3.5%という事例をご紹介いただきました。
300社のアプローチすれば約10件のアポイントを獲得できることになります。20営業日換算で1日あたり15社の調査を行い、手紙を書き、内容と宛名の印刷をする。丸一日終わりそうです。 BDRは手紙を作成するだけでなく、電話も必要です。電話受付からの方まで秘書までお繋ぎ頂き、本人まで、、、。このように考えていくとBDR業務の手紙とコールの比率が1:1とした場合、1ヶ月でアプローチできそうなのは150社程度。
つまり1名のBDRが月に5件のアポイントがとれればすごいのではないのでしょうか?
・アポイントの商談化率が20%
・受注率が20% 
とおいて計算すると年間約2.4件の受注になります。
もし自社の商談単価が150万だとしたら年間360万円。BDRの人件費を考えると赤字になってしまいます。
逆に1件あたり数千万円の取引になる見込みがあるのであれば取り組む価値は高いと考えています。
いかがでしょうか。まずは仮置でもいいので試算をしてみてペイ可能な取り組みであるのか検討することをおすすめします。(検討がつかない場合は1ヶ月トライアル的に取り組み、試算精度をあげるというのも1つです。)

目的を定義しよう。

上記のようにBDRはまったく接点のない大企業の役員のアポイントをとるという非常に難易度の高い業務であるが故に供給できるアポイントの数に限界があります。そして自社の商談単価からペイ可能かを慎重に確認する必要があります。
一方で、業界のトップ企業での採用実績があれば受注率アップが期待できる、といった理由から赤字覚悟で戦略的に取り組むという選択肢もあります。
なぜやるのか、なにが目的なのか、得たい果実は何か、社内で言語化したうえではじめるのがよい方法なのではないか、と考えています。

QCDを想定しよう

Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)と一般的に品質管理で使われる項目ですが、BDR、インサイドセールスにあてると以下のようになります。

  • Quality(品質)…アポイントのQuality

    • インバウンドではないのでBANT情報やニーズをヒアリングするのは至難の業です。お送りする手紙の仮説の精度が高ければ高いほど、アポイント確率のアップ、先方の関心をヒアリングできることもありますが、秘書経由で日時を調整し、本人と1度も会話することなく当日迎えることもあります。

    • 周囲、特にセールスの方とはどういった経緯のアポイントかを事前にすり合わせておくことが必須になります。

  • Cost(コスト)…取り組みの費用対効果

    • 上述の通り、人件費と期待受注額を試算しておくことが重要になります。

  • Delivery(納期)…受注という成果がもたらされる時期

    • アウトバウンドで獲得したアポイントが数千万の商談として受注するのにどれくらいの商談期間がかかるか。おそらく半年〜1年はかかるのではないでしょうか?受注という果実を得るには長い目が必要であると考えています。

結び

いかがでしたでしょうか。
お伝えしたかったことは、アポイント、商談が足りない = BDR (アウトバウンドしたらいいのではないか?)と短絡的に考えることはリスクがある、という点です。
場合によって同じだけの費用、工数をかけるのであれば、マーケティング予算(広告・イベント)にまわした方がよい可能性もあります。
もちろんBDRを立ち上げるべきでない、とお伝えしたいわけではありません。1通の手紙からその後の自社の成長に大きな影響を与えるお客様と出会える可能性がある魅力があります。
大切なことは試算と目的と想定です。

読んでいただいた方にとって少しでも参考になれば幸いです。

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