令和6年司法試験在学中受験してきたンゴねぇ...
昨日の伊藤塾の短答速報値で合計点124点だった。
まぁ各科目多少ぶれても足切りラインは確実に突破したであろうから、かねてから書きたいと思っていたブログを始めたいと思う。
とりあえず、手っ取り早くレビューを稼げそうな司法試験在学中受験の過ごし方や感想などについて書いてみたい。
※今年の試験内容が多分に含まれるので以下、ネタバレには注意されたい。
経済法
何か難化してた気がする。
設問1は、入札談合だったのだが、事案が複雑でおまけに課徴金とかいう引いたことの無い条文がでてきたのでひとまず、後回しにして設問2から書き始めた。
設問2もなんか方策が3つくらいあってまぁまあむずかった。
それぞれ拘束条件、排他条件、取引妨害でそれぞれ書いた。
Zと医療機関に対して別個の方策をしていたから、別個に論じた。
とりあえず公益法人Zが「相手方」となるかとか、論点っぽいところは一通りさらって書けたはず。
設問1は、結局私的独占なのか、不当な取引制限なのか???
時間も紙面もなくてYは不成立として、課徴金の話からは逃げた。
他のローの友人もそのような話をしていたから多分みんな書けてないし、いっか。
ある程度書いたし、一応水準でとどまっていてほしい、Cくらい
余談ではあるが、司法試験六法高えし、六法くれるような仲良い先輩もいなかったため、試験会場で初めて司法試験六法を使った。一般指定の条文が全然違う場所にあったりして、結構テンパったからこれから受ける皆さんは図書館で目を通しておくくらいはしてもいいかもしれない。
憲法
職業選択の自由(営業の自由)と、営利的表現規制が出た。
ロー入学してからまじで論文を片手で数えれるくらいしか起案していなかった(憲法擁護遵守義務違反)。そんな中でヤマを張っていた職業選択の自由とこじつけでどうにかなる営利的表現が出てくれて大変助かった。
題材としては、ペット業者の犬猫の免許制度の導入と、犬猫の動画等を用いた広告の禁止だった。
免許制度のとこでは、おそらく目的となった犬猫の権利を人権に寄せて書くか、あくまで「物」として流通するものとして把握するかで、前者は裁判所の審査になじんで裁量が狭くなり、後者は公権力の規制が及んで裁量が広くなるという対立点を書くべきかと思って、目的をそれなりに厚く論じた。
営利的公告については、イッヌやヌコの動画を見ると買いたくなっちゃう~!って人を規制するのはパターナリズムでは?的なこととかいろいろ書いた。合ってるかは知らん。
問題文に損失補償は論じる必要はないって文言や、今年は財産権だろうという直前期の風潮もあり、財産権で書いた~とかいう会話がトイレ前で聞こえてしまって、たしかに既得権っぽく書けなくもないなと一瞬不安になったが、まぁ問題読めば22条1項がさすがに本筋なはず。
余談、問題文に判例を示して書きなさいとされてて、適宜判断枠組みや職業の定義などは薬事法そのままトレースして書けたんだけど、判例名を一切示さずに書いたのが今になってめちゃくちゃ怖い。
行政法
まぁむずかった。
まじで問題文の半ページを仕組みの説明で埋めるなよ…。
あと「本件事業計画変更認可」とか、長すぎ。書いてて「計画」が抜けて直したり、3科目目ということもあって大分コテンパンだった。
設問1は仕組みを理解しきれなかったけど、認可があると権利床ないしそれに対応する相当対価の金銭が減少するという地位の変動について、「相当程度の確実さ+重大な不利益」から処分性を攻めた。結論どっちにしたかは忘れた。
設問2は文言解釈の中で目的動機違反を論じたけど、正味自信ない。
問題の事情から逆算して書いたからマジで筋違いしてて0点まである。
設問3は打って変わって、規範まで誘導で書いてくれてる親切設計っぷりだったが、時間もなかったこともあり、満足するまで書けなかった。
しかし、行政法の中では一番まともに書けた気がする。
昨年予備合格者の友人も、なんもわからんって言ってたことからすれば、相当難易度は高かったと思う。その点で言えば耐えたと言えば耐えた気もするし、普通にダメそうな気もする。
民法
なんかロープラの問題組み合わせたみたいな問題だった(できるとは言ってない)。
設問1(1)は、117条1項2号と留置権の話?
留置権の牽連性のあてはめ適当過ぎた。あと、117条に関しては条文選択があってるかすら怪しい。代理権の授与も表示もないから、表見代理ではないはずなんだけど、うーん…。
設問1(2)は、賃貸借の必要費償還請求とかが出た。
このあたりで大分時間が押してしまっていたこともあり、要件検討+いくらまで請求できるかを論じるにとどまってしまった。うーーん…。
設問2が一番やってる。
多分論点2個は落とした。
配点見てもっと設問2に時間を充てるべきだったと大変後悔している。
落ちるとしたら民法と後述する刑法かな…。
商法
設問1(1)は、監査役の差止め請求権(385条1項)の類推適用?で書いた。
出だしからキモイなぁと思いつつ、まぁある程度のことは書いたのでここは耐え。
設問1(2)は、シンプルに株主総会決議取消しの訴えだった。株主の利益供与について、120条1項は頭よぎったんだけど、会社財産の流出防止という趣旨からすれば類推無理だよなとおもい「方法の…著しく不公正」を検討した。
しかし、後から聞けば120条1項の話は出してもよかったらしい(なんなら授業でがっつり触れてたようだ)
設問2は、株式併合で、筋としては前提となる株主総会決議の効力を争って、当該決議の効力を失わせたうえで、決議を欠いた株式併合って条文ないけど無効になんの?って話だと思った。
株主総会決議無効の訴えは、直前の辰巳模試と109条1項違反まで大分かぶっていたこともあり、割とかけた。辰巳君ほんまありがとうやで(エセ関西)
民訴法
設問1は、明文なき任意的訴訟担当だった。
信託法10条(訴訟信託の禁止)などをどや顔で書きたくって、これは浮いたやろなぁ…と思ったがローの友人で聞いた人全員書けてて同じこと思ってたらしい。判例との異同についても、授権要件と、信託法等の趣旨に反しないことについては特に問題ないと思ってしまい、必要性について、判例は事業組合だから代表者にまとめる必要性あるけど、事例は3人しかいなくておまけに親族だからわざわざ訴訟担当認める必要性がないんでないの?的なことを厚く書いた。合ってるかは知らない。
設問2は裁判上の自白と、弁論準備手続周りの話だった。
弁論準備手続において裁判上の自白生じさせると、弁論準備手続における自由な協議ができず、争点深化や証拠の絞り込みができないのではという論点と理解した。自分は裁判上の自白の撤回の効力について、自白機能保障説から、こじつけて書いた。体感的に合ってればマジで相当上位答案を書けたと思う。「合ってれば」
設問3は解除権の行使と既判力の時的限界の話だった。
個々も内容的にはそんなに難しくなかったような気がするが、多分権利に内在する瑕疵とかっていう説明以外の説明をしてくれとのことだったので、誘導踏まえて手続保障の程度について論じた。自分は月に1・2回の2年間やってりゃ、裁判中にお料理教室してたのも併せて賃貸人は知れたやろがいって筋で書いたけど、予備合格の友人はおんなじ事情から、賃貸人は賃借人の普段の使用状況を知らんから知らなくてもしゃーないという筋で書いてたから、結論はどっちでもよさそう。
刑法
一番の大事故ぶっこいた。
前日まで苦手だった民法が耐えれた気がしてたこともあり、一番得意教科でしっかりずっこけてしまった。
具体的には、時間配分を大きく誤ってしまった。整合性が問われる問題ということもあり、普段かかっても15分くらいの答案構成に30分かけてしまった。その挙句、やっぱりなんかちゃうなぁと思って答案構成通りに書かないという始末。ほんとに怖い。
設問1は無難に強盗の話で、甲は反抗抑圧後に財物奪取の意思を生じた場合の強盗の成否、乙は間違った暗証番号の聞き出しと236条の成否だった。乙について、間違った番号の聞き出しに2項強盗が成立するとすると不能犯の成否とか具体性の検討がダルすぎるとおもい、急遽キャッシュカード+暗証番号で財物性認めて1項強盗で切り替えて書いたがあってるのかわからん。そのままテンパった勢いでATMの引き下ろしの窃盗罪もガバ検討で終えてしまった。
設問2も時間ないまま、丙の正当防衛を書き終えた時点で15分も残ってないくらいで、違法の相対性の話だけして、丁と甲それぞれ6行書いたくらいで検討が終わってしまった。冷静になれば全部それなりのことがかけそうだった故に大変悔やしい。
原因としては春休みに刑法刑訴を大分回して春学期に民事系を固め学習していたことの弊害で、刑法知識がやや抜けてしまっていた。直前期慢心せず、ちゃんと基本刑法とか通読しておいてもよかったかもしれない。
刑訴法
違法収集証拠排除法則とビデオ撮影行為の適法性が出た。
違収排については、アガルートが前日に出入り口で配ってた資料でヤマ当てされてたことや、令和2年以降自白と違収排らへんが臭いとおもっていたので比較的よく書けたと思う。アガルート君ほんまにありがとう。ロー入試の時は憲法の答案にケチつけてごめん。
さらに違収排については、所持品検査という「警職法」の規定に違反があった場合に、違法収集排除法則の適用があるのかと言う点にまで触れれたのは自分をほめてあげたい。
ビデオ撮影は順当に「強制処分の当否→任意処分の適法性」で書いた。
①は、強制・任意共に適法。
②は、強制処分にあたり、令状主義違反でアウトとした。
事情のおもらしはあるかもだけど、多分大筋は間違えていないはず。
過ごし方・その他感想
生来きっての現実逃避癖が司法試験中にも治らず、試験期間中は自作の論証見直す以外はYoutubeをだらだらとみて他に何にも勉強しなかった(勉強できなかったというのがより正確)。短答も最後きっちり詰めなおそうと思ったが、3日目は刑法のやらかしもあり、萎えて東京湾を2時間くらいボーっと眺めて過ごした。
終わってみれば、できないときに無理に勉強はするものでもないし、在学中受験という言い訳もあるので思いっきり舐め腐って受験したのも最終的な心持としては良いほうに作用したように思う。
みんな試験終わりの打ち上げでは「もう二度と受けたくない」と口をそろえていたが、ほんとにそう。マジで二度と受けたくない。
そう考えると弁護士になっても受験生指導とか司法試験に関わってる講師は、まじでこうしたみじめな受験生から高額な学費をせしめた上で、将来の不安と司法試験の苦痛にもだえる受験生を見て楽しむ生粋のサディストなのではないだろうかと思う。
伝聞だが、会場には学部の頃2年前にロー入試についていろいろ教えてくれた先輩もいたらしい。また、同じ会場には3年予備合格+早期卒業で現ロー2年の後輩(年で言うと2個下だがもはや後輩ではないかもしれない)もいた。そう考えると、法律分野というのは、勉強量だけでなく才能もある程度要求される世界だ。
この世界から一秒でも早く逃れるためにどうか今年受かっててほしい。
以上