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女性職場で働くこと①

私が心理学に出会ったのは、今から約8年前。

元々、子供の頃から心理テストが好きだったが、それとは全くの別物だった。

きっかけは、女性だらけの職場で働くようになったこと。

語弊覚悟で口にするなら、女性職場は鎧をまとった女達が戦う、いわば戦場だ。
“察して”、“空気を読んで”、“共感して”、“同調する”。はみ出し者はすぐにレッドカードを喰らってしまう。

私は何ともその空気が苦手で、ちょっとした変わり者の一匹狼を目指してやり過ごす事にした。

そうすれば、くだらない愚痴も、興味のない無駄なドラマ話も、最近流行ってるお店のシェアも、絶対作らないであろうオリジナルレシピの話し合いも、そんなに関わらなくて済む。

“何か、プライベートが見えないよね”
これで良い。
“そうですかー?普通ですよ(笑)”
なんて返しながら、やり過ごしてるつもりだった。

ただ、仕事は人間関係で作られている。
現実、そう甘くはなかった。

異動して間もない私に、直属の先輩は必要以上のことは何も教えてくれなかった。
それどころか、日によっては必要なことさえも、教えてもらえない。

口調も表情も雰囲気も毎日異なり、まるで名前だけ一緒の着せ替え人形と働いてるみたいだった。

もちろん、それに全て合わせることなど到底出来ず、先輩の正解を出せずに怒らせてしまうこともあった。

毎日、コロコロ変わる状況についていけず、どうすれば良いのか分からなかった。

どうしようもなく居心地が悪かったが、一番下っ端の私は、結局誰にも相談出来ず、ただ一人、殻に閉じこもっていった。


そんなことも続くと体も素直なもので、ある日一歩も動けなくなり、どうにか動けた日も、職場に向かう車内で、吐き気とこぼれ出る涙で頭も体もぐちゃぐちゃになっていった。


完全に迷子になった私は、ぐるぐる考えた先で、一周も二周も…百周も思考が回って、気がつくと本屋さんのビジネスコーナーで足を止めていた。

夜の22時。
ふと目に止まったのは、精神科医 水島広子さんの“整理整頓 女子の人間関係”という本だった。

何だそれ…。全く女子だの男子だのくだらない。性別で人間関係なんか整理されてたまるか。

と、思いつつも、帯にある“対人関係のイライラは、医学的に見れば99%は解消できる”に何となく惹かれ、読んでみることにした。


私は衝撃を受けた。
本を読み進めるうちに、私自身が相手と同じ土俵(フィールド)に立っている、と気がついたからだ。

女子の人間関係に対して、苦手だ、くだらないと思っていたにも関わらず、どこか嫌われたくない、何故あの人は私に不機嫌になるんだろう、私の何が悪かったかな…
と、いつの間にか同じフィールドに入り、検証していたのだ。

それが分かった瞬間、信じられないくらい体が一気に軽くなり、何かから解放される感覚を覚えた。

これだ。これだ、これだ。

私は慌ててその本をレジに持っていき、お金を支払うとすぐに車内でその続きを読んだ。

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