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日本一時帰国の際のコミュニティへの参加方法について考える(1)

さて、前回に引き続き、昨夏の日本滞在からの気づきについて書いてみたいと思います。

”言語の習得は、単に言葉を覚えることにとどまらず、文化習慣の理解とその言語が話されているコミュニティへの参加によって、より深まるものだと思わされた”と述べましたが、では具体的に、日本に一時的に滞在する子どもたちにとって、現地の学校への聴講体験以外で、どのような「コミュニティへの参加」方法があるでしょうか?

例えば、昨夏時点で5歳であった次男のケースで考えてみたいと思います。

次男は、生後1ヶ月で私が職場復帰したこともあり、その頃から完全英語環境の託児所に通い始めました。必然的に、日本語の主なインプットである私と過ごす時間が長男と比べて圧倒的に少ない環境でのスタートでした。また、乳児の頃に一度日本を訪れたものの、その後、コロナ禍で約3年間日本への渡航ができなくなったため、日本や日本の家族との繋がり、日本語を使
う必然性が感じにくい状況だったと思われます。一方で、コロナ禍で、託児所に通えなくなり、半年間、家で過ごした時期は、私や長男と過ごしたり、日本語メディアを視聴したりする日本語との接触時間が増えたため、次男の日本語の言語産出の割合と質が飛躍的に伸びたことを感じました。
しかし、事態が収束して、現地校(プリスクール)に通い始めた途端、英語へのシフトが起こり、今まで兄弟間で日本語を使っていたのが、英語のみ使用するようになりました。
私とは、今でも、かろうじてずっと日本語のみでやりとりし続けていますが、語彙量が豊富でないため、わからない箇所は全て英語に入れ替えて話す、所謂ルー語(?*ルー大柴さんのような話し方)になってしまいます。例えば、(使っていたiPadがフリーズしてしまった時)「iPadにサムシングがハップンした。」という具合です。

さて、そのような言語背景を持つ次男ですが、昨夏は、日本との家族との時間を第一にと考えていたこと、そして、おそらくは、無意識的に、私自身が次男の言語能力や日本語オンリーの環境にどう反応するかという点に不安を抱いてしまっていたことから、現地の幼稚園の体験入園は見送りました。

ただ、案の定、長男が小学校での聴講体験をしている間、次男は私か私の母と時間を過ごすものの、それ以外の日本語話者、特に同世代の子どもたちと触れ合う機会を見つけることはなかなか難しいと感じました。

地域の子育て支援センター、図書館、公園にも足を運びましたが、次男と同世代の子どもたちは幼稚園や保育園に通っている時間帯であることが多く、出会うのが年下の子どもたちばかりであったため、いつも長男やその友達と遊び慣れている次男は、あまり関心を寄せず、結局私とばかり遊びたがるという状況でした。

そんな中、次男にとって突破口となったのが、「どうぶつ将棋」という子ども向けの入門将棋ゲームでした。

長くなってしまったので、続きは次回へ!


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