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青空、絶景ハイライト―山陰を行く旅⑤ 終盤編


熟睡できずに明けた朝

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(ホテルの鏡が面白いらしかった。変顔したり、楽しそうな娘・6歳)

 8月22日・日曜日、旅4日目の早朝。というか深夜、何度目を覚ましたことでしょう。
 ごく普通のシティホテルのツインルームを夫婦と6歳で使用。
 ベッド2つをくっつけて、娘を真ん中に寝ているわけですが、寝相の悪い娘に何度蹴られたのでしょ。
 おまけに寝返りを打つたびに、温泉でこけて打った頭がズキン、ズキン。
(とりあえず死んでなくてよかった。血管切れてなかったみたい。普通にしている分には痛くない)

 でも…夜明けとともに、雲も取れてきていて、嬉しい朝日。
 スマホで天気予報を確認。
 一日中曇りマークだけれども、降水確率20%。まずまずだ。

 どうする?!どう動こう?

 5時過ぎ、夫も起きたので夫婦会議。地図を広げます。
 まずは砂丘よな。ホテルから車で10分少々。
 んで、砂丘から兵庫、京都に抜ける海岸線は「山陰ジオパーク」になっていて、どうやら絶景続きのよう。
 どこかの海岸で泳ぐのもありだね。

 「今夜は鳥取市内の宿でいいんじゃない?」
 「今日たっぷり遊べたら満足できそう。明日から雨マークがついてるし明後日も雨。明日、帰ろっか」
 あと2泊できる余裕がありましたが、明日、香川へ戻ることを決意したら最後の1泊は、旅館にしよー!

旅の終わりを決めたなら

 色々検索をかけているうちに、評価の高い、しかも泊まった人の口コミの中身がとてもいい宿を発見。
 1泊2食でも、3人で2万5000円以内に収まることが判明。
 昨日も一昨日もその前も、夕食はスーパーでの総菜・お弁当&コンビニ弁当だったし、最後くらいは美味しいものを食べたいよね。
 そもそも今回の旅、お店に入ってのご飯(外食)はゼロ。ちょっと贅沢しようよぉ。

 決まり!!予約完了!!

鳥取砂丘へGO


 朝早いうち動いたほうが天気が良さそうだね。
 まぶしい日差しがカーテンの隙間から差し込みます。
 よし、早く砂丘行こっ!!

 素泊まりなので、チェックアウトは好きな時間に。
 6時40分出発。
 昨日と同じくローソンでサンドイッチとコーヒーと牛乳を購入して7時5分、砂丘の駐車場に到着。
 「朝ごはん、砂丘で食べたらいいね」。

 空は青。

 どんな景色が…?

 ドキドキしながら、入口の階段を上っていきます。

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 すっごー!!!!!

 青空の下、大きな景色が現れました。

 ここで、ブラジルのレンソイス国立公園を思いだした私。

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2010年、2月に南米半年バックパーカーの旅で訪れているんです、ブラジル。レンソイスにもラグーナ(湖)がありました。

 娘はもう遊びたくて仕方ない。
 サンドイッチを食べ始めるも、早く砂丘を走りたい自分の気持ちと口の動きが追い付かない、爆笑!!
 苦しい顔して、口をムシャムシャムシャ。
 「もういらん~」
 「いや!お腹空くから食べときなさいっ」

 そんなに急がなくても大丈夫だよ…砂は無くならんよ…

 とはいえ、かなりの強風で、サンドイッチに砂がつくわ、珈琲の飲み口にも砂が入るわ、けっこう大変な朝食タイムなのでした。

 娘は素足になり、タタタタタ…思いっきり走り出します。
早朝で訪れている人も少なくて。

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 砂丘を登りはじめますが、急勾配!ヤバい。かなりしんどい。そしてたまに、ズキン!!うう…頭に響くぅ…
 尻もちもついていたため、足に力が入らないんだってば!!

 なんどか登りきって…

 うわぁ~

 絶景です。

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 神さま、ありがとうございます。

 雲が遠くからやって来ていたけれど、このひと時でも、本当に有難い青空でした。

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 砂丘に結局2時間。丘を行ったり来たり。砂嵐が吹くと、小さな虫が踏ん張りきれず転がり落ちる様子すら見ることができ、砂漠で生物が生きる大変さを実感。遊びまくっていました。

 もう…しんどいね(笑)まだ9時なのに。

山陰ジオパークをゆく

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 海岸線沿いに車を走らせ、見どころがあるところに車を停めて歩きますが、「ふぅ、ふぅ」。
 体力を砂丘でかなり消費。
 娘は「(車から)降りたくない」と言う始末。
 「せっかく来たんだし」となだめます。

 身体はしんどくとも、「わ、すご」な景色の連続。
 3ヵ所目、山の中を歩き始めたところで「ん?何の虫?」

 クワガタだー!!!

 娘は目がキラキラに。
 「いこっ」
 車から網と虫かごをサッと出してきて、先頭を行くヤツ。
 元気、回復!オロナミンC!ってか。さすが生き物好きなヤツ。

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 クヌギの木、雑木林…。
 これは、カブトムシやらクワガタやらが生息していることでしょう。
 早朝だったらたくさん捕まえられたかもしれないね。
 結局一匹だけでしたが、大満足な様子の娘。

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 再び海岸線をドライブします。
 光が差せばキラキラと、青い海。

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  「およぎたい~」と娘。
 その前に…
 お腹すいたよね。

おうちカレーはジャワカレー

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 11時半。グーグルマップで食堂を検索。少し先に、食事処が数軒ありそうでした。
 車を走らせていくと「おうちカレー」と「氷」の文字が目に飛び込んできました。
 「カレーでいいよね」
 と入ります。
 明るいご夫婦が経営していた小さなカフェ。でもここ、実は来春スクール開校という場所でした。
 旦那さんは校長先生?

 おうちカレーとはジャワカレーでした。
 大480円、小380円。かき氷は練乳かけてくれても280円とロープライス。

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 “おうちカレー”っていうものだから、家庭で食べる野菜ゴロゴロカレーをイメージしていたのですが、玉葱のみのシンプルな、ピリッと中辛カレーでした。
 鳥取名産のらっきょうも添えてくれていて、お腹すいていたものだからホントに美味しく頂きました。

 経営者のご夫婦は地元の方。旦那さん、よくしゃべるお方。
 そういえば、この旅でようやく地元の人と会話ができたよね。

 ごちそうさまでしたぁ!!!

 よっしゃ。泳ご。

 が、近くの駐車場は1台1000円。高っ
 荷物だけおろして少し先の観光用の駐車場へ。

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 テントを張っているうちに、娘はサッサと着替えて一人で海へ。
 浅瀬だね、ここも。砂地が心地いい。
 雲が多くでてきていて、少し水が冷たいけども、再び「波乗りひびき」。 何度も何度も波に乗り、あぁ楽し。

 一度サーっと雨が降ったものの、すぐに止み、楽しい海水浴タイム。
 で、私は体が冷えてきていたため「先にあがるね~」。
 
 娘、私が海から上がっても、間髪入れずに「あそぼっ」

 夫と二人で。

 有料駐車場は、ロッカーや貸し浮き輪などの設備があり、3分100円のシャワーで体を流します。

 私は車から日記帳を取り出して、テントのそばに例のベンチを置いてそこに座って書き書きタイム。
 ようやく海から上がってきたと思ったら、もう15時半。
 3時間も泳いでいた娘と夫。
 二人がシャワーを浴び、テントを片付けたりなんやりしてたらもう16時過ぎ。
 予約していた旅館へナビを入れると16時55分着。
 チェックインを17時にしていたためギリギリ!!
 しかも、夫が前日泊まったシティホテルに自分の車のカギの忘れ物をしているものだから、寄り道せなならんのです。

(幸い、シティホテルと今宵の宿は距離が離れていなかったのですが)
(ちなみに、私は私で1泊め大田市の旅館にiPadを忘れる失態。その時も、寄り道して忘れ物の受け取りをしていました…。人生初めてです。宿泊先での忘れ物なんて…「夫婦それぞれ忘れ物事件」)

 クワガタ探しをしていたときに携帯に2件立て続けに着信があったんです。一件めは忘れ物連絡。2件めが予約していた宿からで「お部屋の希望は和室でしたね。和室にしております。チェックインは17時でよろしかったでしょうか。夕食の準備があるため、遅くなるようでしたらご一報くださいませ。どうぞお気をつけてお越しください。お待ちしております~」
 ネットから予約をしたときに「部屋は和室か洋室お任せプラン」で、リクエストの欄に「できれば和室をお願いします」と書き込みしていた私でした。

老舗旅館「こぜにや」へ

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 急いで運転して忘れ物を受け取り、予約していた旅館「こぜにや」へ。
 娘はzzz…
 そりゃぁ、疲れたよね。

 こぜにや到着。
 外観は老舗。
 車を入れるとスタッフが。
 「予約していた向田です」
 「ようこそ起こしくださいました、向田様」
 「お荷物お運びいたします」
 チェックインすると
 「みなさまでようこそ。3名様でよろしかったですね」
 もうとにかく丁寧な接客。
 「女性のお方は、こちらから浴衣をお選びくださいませ」
 娘は顔を紅潮させて、緊張してる…(笑)

 敷地内の池には鯉が悠々と泳いでいました。温泉は全部で4つ。家族風呂が2つ。そして素敵な和室に通されて…。
 お茶を入れてくれるスタッフ。
 夕食は18時開始にしてもらっていました。

 急いで家族風呂へ。

 3人ともに浴衣を着て、夕食会場へ。

 「向田さま、いってらっしゃいませ」
 「ご案内いたします~」

 本当に丁寧。
 こっちが緊張してしまう…
(こういうところに慣れていない)

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 テーブルには向田様と書かれたお品書き。
 本当に追加料金ないよねぇ… 

 あの料金でいいのだろうか。
 心配になるほどに、豪華な夕食メニュー。
 娘には大きなエビフライ。

 あぁお腹いっぱい!!
 美味しかったです。

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 部屋に戻る手前、鯉に餌やり。浴衣を着て下駄履いて。風情だねぇ。

 明日は帰路。
 天気予報のドキドキはもう、ない。

 旅の終わりへ。

 お休みなさーい!

 最終話へ続く。




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