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「競争よりも共創」「隠れた消費者スコア」...先週のDearMedia Newsletter [2019.12.9〜12.13]

こんにちは、ディアメディアの味岡です。

ディアメディアでは、私が毎朝目にしている約1,000記事の中から、「ちょっと気になる情報」「最近話題のニュース」「面白いできごと」をピックアップして毎朝お届けしています。

先週のニュースレターでは、
・「共創」の仕方について
・知られざる「消費者スコア」について
・「世界観」の重要性について
・「表現」することへの意識について
・「リアルとデジタル」の違いについて
お届けしました。

そのDearMedia Newsletterの一部をご紹介します。

※「バックナンバーも読みたい!」とご要望をいただくことが多いのですが、無料メルマガにご登録いただいている方のみにお届けしているニュースレターでしたので、これまではバックナンバーの公開はしてきませんでした。
今回から、note機能を利用して、ご希望の方は「続き」も読めるようにしています✨

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競争よりも共創

日本で発行されている雑誌は、いったいどのくらいの数があるかご存知でしょうか。

日本雑誌協会の「マガジンデータ2019」には、560誌が紹介され、これが全国流通し、本屋さんで購入できる代表的な雑誌になります。

一方、今回とりあげる「ハルメク」などのように、直販で刊行しているもの、機内誌や会員誌だけれども、値段をつけて販売しているもの、フリーマガジンやムックなど、定義次第でその数は数千にも膨れ上がります。

ここ数年、地方紙と同様、雑誌もどんどん低迷していき、よく知られている雑誌でも、発行部数は10万部に届かないものが大半です。

ちなみに、日本で一番発行数が多いのは週刊少年ジャンプで170万部。

発行数の多い雑誌で、代表的なものですと、週刊文春は57万部、VERYは23万部、プレジデントが26万部です。

そして20万部を超えているのは、今や数誌しかありません。
※JMPA印刷部数公表(2019年7月~9月)より

今日ピックアップするのは、そんな雑誌業界の中、定期購読者だけで31万部を発行するシニア雑誌「ハルメク」の秘密に迫った記事です。

▼ピックアップニュース 

発行部数だけが雑誌の価値ではありませんが、それでも定期購読者だけで31万部というのは、驚異的な数字です。

私が雑誌のECサイト運営会社に務めていた10年以上前から、雑誌の生き残る道は「コミュニティ化」だと言われていました。

しかし、具体的にコミュニティとして成り立つにはどのようなコンテンツ、場、提供価値にするべきなのか、うまく実現できている雑誌は本当に少ないと思います。

「ハルメク」はシニア女性向けの雑誌で、これだけの部数を保っている一番の理由は、読者のニーズにしっかり応える編集方針です。

「スマホの使い方」などのネット上や他の雑誌、書籍でも、大量に出ているコンテンツだとしても、シニア世代にとっては「難しすぎる」と感じるので 何に困っているのか、どう感じるのかに、丁寧に寄り添った誌面になっています。

そしてそのような特集も、読者と一緒に作ります。

2000人以上も在籍する『ハルトモ』というモニター会員組織があり、定期的に編集部に招き、座談会を行います。

別の事業部で行う定量的なアンケート結果と座談会で拾い上げた定性的なデータを加味し、特集としてスタートするかどうかが決まります。

「シニア女性がより良く生きることを応援する」ことが経営理念の同社は、 売上の8割が通信販売とのこと。

雑誌を入口にして読者と出会い、読者の声をもとに、商品やイベントを開発、提供する。

シニア世代の生活まるごとに関われるということが、一番の強みです。

通販で販売する商品も、通販事業部がメーカーと組んでOEMで開発しますが ここでもアンケートリサーチやハルトモ会員の調査を経て、試作を繰り返します。

雑誌と同じで、本当に必要な商品を時間をかけて作るので、売れる商品になります。

通販事業の始まりは、前身である「いきいき」の初期に「美味しい野菜が採れたから他の読者におすそ分けしたい」という読者からのお便りが届き、初代編集長がわざわざ出かけていって、写真を撮り、送料いくらでお分けします、ということを始めたのがきっかけでした。

通販事業のみならず、イベントやハルトモ会員など、同じ価値観を共有する読者同士が、情報の受け手に甘んじるだけでなく、互いにつながろうとする。 そんなコミュニティとしての在り方が「ハルメク」全体を構成している
要素になります。

ここ1~2年、コミュニティマーケティングという手法を耳にする機会が多くなり、スタートアップやIT企業を中心に、定期的にミートアップイベントを行ったり、グループページで情報提供をしたりする組織が増えました。 

・・・以下、省略・・・

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隠れた消費者スコア

どの消費者にどの程度のサービスを提供するべきか、AirbnbやYelpなどのデータを取得し、それを加工してスコア化したものを顧客企業に提供している会社があります。

その会社では、クレジットカードの信用度からそのサイトに訪れたデバイスやIPアドレス、Airbnbでのホストとのやりとりや10年前のブログのコメントまで、データとして集めています。

プライバシーポリシーなどに巧妙に隠された情報提供へのYesの意思表示に基づいて収集、分析したデータを使ってスコアを提供された企業は、コールセンターでの待ち時間やECサイトで返品可能かどうかを決めています

今日は、その仕組みと問題点に関するニュースです。

▼ピックアップニュース

Siftという会社では、16,000もの項目をAirbnbやOkCupidなどのサイトから集め、消費者をスコア化しています。

この記事を書いたHill記者がSiftに自分の”ファイル”を要求したところ、彼は驚愕しました。

400ページ以上に及ぶそれは、彼がこれまでAirbnbのホストに送った全てのメッセージが含まれ、Yelpでの配達注文の履歴もすべてありました。

iPhoneでCoinbaseのアプリを開いた時間が記録され、パスワードを変更したこともわかりました。

Sift以外にも何社か似たような企業があるようですが、彼らはこれを「詐欺や不正を撲滅する」ため、「優良顧客からの売上を拡大する」ために行っていると言います。

盗まれたクレジットカードを識別し、個人情報の窃盗や虐待の行為を発見するのに役立つため、このデータを取得している、と話します。

Sift、Zeta Global、Retail Equationといったこれらの会社は、Hill記者が行ったように、消費者ごとの“ファイル”をリクエストできるようにしているので、気になる方は記事内にある問い合わせ先をチェックしてみてくださいね。

EU一般データ保護規則(GDPR)から始まった個人データの保護をより強化していく流れは、ビッグデータやIoTが普及していくにつれてどんどん大切になっていきます。

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動機の違い

OODA(ウーダ)ループという思考のフレームワークがあります。

OODAループは、米空軍大佐ジョンボイドが作り上げたあらゆる分野で適用できる戦略の一般理論で、最速に的確に実行できるようになる思考法といわれています。

シリコンバレーの起業家を中心に、アメリカのビジネスエリートに活用され 変化の激しい時代に必要な知的技術です。

今日取り上げるのは、OODAループの日本での第一人者が書かれたもので、 大切な部分である「世界観」についての記事です。

OODAループで行動をするために欠かせないものが「世界観」です。

世界観といっても大仰なものではなく、目的、目標といったほうが近いのですが、その人なりの夢や理想が込められていることがただの目的とは違ってきます。

OODAループは、行きたい場所やかなえたい夢に向かってぶれることなく 一直線に進むための思考法なので、そのときに軸となるのが世界観なのです。

挙げられていた例がわかりやすかったのでそのまま紹介しますと、

まだ若い男性が、気になる女性を誘って彼にとっては背伸びのレストランに 出かけた時のこと。
慇懃なサービスに迎え入れられた店内は薄暗く、ふかふかの絨毯や銀の食器、分厚いメニューなど普段とは違う空間に緊張したまま、ウェイターから「本日のおすすめ」の説明が始まりました。
20歳そこそこの男性はこれに圧倒されてしまい、結局「その場をスマートに乗り切る」ことだけに集中した彼は、せっかくの食事や彼女との会話を十分に楽しむことができませんでした。

この時、彼が持っておくべきだった世界観は、「彼女との食事を楽しい時間にする」 ということ。

または、もっと先を見て「彼女と過ごす時間を今日だけでなく、将来にわたって楽しいものにする」などでも良かったのです。

OODAループで言う「世界観」は高尚なものである必要はありませんが、ある程度の大きさ、広がりは必要です。

すぐに実現するような小さな目標だと、ぶれない行動の軸にはなりにくいと、記事で述べられています。

私は目的や目標、 その行動の動機を考える時に

・・・以下、省略・・・

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芸術と悪意の狭間

グッチ、シャネル、バーバリーなどのファッションブランドが「チーフダイバーシティオフィサー」を雇い始めています。

この流れは、プラダの店舗でブラックフェイスに似たディスプレイを行ったとしてSNSで炎上したり、H&Mが「ジャングルで一番クールな猿」とプリントされたスウェットを着た黒人の少年を広告に起用し批判されたり等、 人種差別や性的指向の偏見などに対応するため、ここ数年で急速に広まっているものです。

記事によると、チーフダイバーシティオフィサー(CDO)が行うことは、ブランドによって様々です。

メイシーズのCDOは、13万人の従業員に対し無意識のバイアストレーニングを行ってきました。

また、顧客の権利章典を刷新し、全ての店舗に掲示しました。

H&Mでも同じように、従業員がバイアスを認識することが大切だとし、 ダイバーシティインクルージョンのポリシーを必要に応じてアップデートしたり、取り組みを測定可能なものにしたりといったことを行っています。

プラダでは社外のアーティストとディレクターをダイバーシティインクルージョン諮問委員のアドバイザーとして雇い、会社が人種、文化、政治に関する現代の流れから遅れないようにしています。

アクセンチュアのディレクターStandish氏は「多くのCEOが、いずれダイバーシティインクルージョンが企業のDNAとなるため将来的にはCDOの役割はなくなるだろうと言っています。 

今はまだ新しく追加された仕事に見えますが、これはブランドがやるべきこととして当たり前になって行くでしょう」と述べています。

この記事、PRに関わる身として、とても興味深く読みました。

企業における危機管理をどうしていくか、の良いプラクティスであるとともに、それがブランド力をどう強化していくのか、非常に興味があります。

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リアルとデジタルの差

Tinderの成功以来、様々なコンセプトのデートアプリが開発され、日本でも、”ペアーズ婚”と言われるなどマッチングサービスを利用して結婚する方々も増えました。

The LeagueというデートアプリはLinkedInでの認証が必要なサービスで
この秋、League Liveというライブチャット機能を発表しました。


ほとんどのデートアプリは、最初のデートをするまでに、テキストでコミュニケーションを行いますが、League Liveは最初に2分間のライブチャットを行い、それからマッチングに進むかどうか決めるというサービスです。

この機能は、デートアプリで問題になっている別人の写真を使うことや、不誠実な対応といったことを解決できる可能性があります。

また、Leagueの発表によると、この機能でマッチングした人たちは3倍の確率で電話番号を交換したとのことです。

Leagueはもともと誰でも参加できるアプリではなく、承認を待っている人の 長いウェイティングリストがある、人気のアプリです。

その特性上、ライブチャットの機能を不適切に使う人をある程度削除できるのではないかと見ています。

また、チャット中にユーザーはフラグを立てることができ、フラグが立つと瞬時にチャットは終了するため、問題のあるユーザーはLeague Liveそのものを利用できなくなります。

デートアプリでライブチャットを使うのは様々な問題も内包していますが
まっとうな使い方をするのであれば、実際に会う前に、その人の喋り方やクセ、かもし出す雰囲気がわかるのは、お互いにとってとても安心なことです。

「メラビアンの法則」として良く知られていますが、アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが1970年代に行った実験によると、

・・・以下、省略・・・

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