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安全な孤独、情熱のシェア、犬とビール...先週のDearMedia Newsletter [2019.11.25〜11.29]

こんにちは、ディアメディアの味岡です。

ディアメディアでは、私が毎朝目にしている約1,000記事の中から、「ちょっと気になる情報」「最近話題のニュース」「面白いできごと」をピックアップして毎朝お届けしています。

先週のニュースレターでは、
・「孤独」という時間について
・情熱が生み出した新しいビジネスについて
・ソーシャルグッドなプロジェクトについて
・音楽の作用について
・行動量と才能について
お届けしました。

そのDearMedia Newsletterの一部をご紹介します。

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安全な孤独

先進国では高齢化が進み、“孤独”が社会問題になりつつあります。

イギリスでは、孤独問題の担当大臣まで任命され、健康維持や医療費抑制などの社会保障の観点からも、議論され始めています。

未婚の方の寿命は何%短くなるとか、
アルツハイマーを促進させる可能性があるとか、
精神的に孤独を感じていると、 肉体的にも影響が出る。
そんな調査結果が、多数あります。

なのですが、今日のニュースはその逆で、
「孤独を怖がるあまりに自分自身との時間をおろそかにしていませんか?」
という記事です。

▼ピックアップニュース


ダラム大学心理学部の助教授で、孤独を研究しているNguyen氏は、「西洋でよくあるように『孤独はいつもいつも”良い”わけじゃないけど、たまには必要だよね』という考えすら拒否しているのであれば、それは大抵ネガティブな体験に繋がる」と述べます。

心理療法士のRoberts氏は、「精神的、感情的、社会的利益のリチャージのために孤独が必要な瞬間がわかるようになると、ストレスや燃え尽き症候群などの否定的な感情や経験をうまく処理できるようになる」と述べています。

発達心理学者であり、カールトン大学の心理学の教授であるロバート・コプラン氏は、「歴史的に、孤独は罰の形として使われることがあるため、かなり悪い印象でした」と話し、
「問題は、孤独も選択の余地があることを忘れてしまうことであり、常にそうである必要はありません。人間は他の人との交流から恩恵を受ける社会的生き物であることを示す多くの研究があるため、人々は一人で時間を過ごすことも重要であることを無視しようとします」
と彼は言いました。

The Rest Testと呼ばれるオンライン調査では、最も安らかと定義されたアクティビティの大部分は、単独で行われることが示されました。

このように複数の専門家が、孤独でいる時間をあえて作ることで、
社会的な関係に利益をもたらし、
創造性と自信を改善し、
感情を調整して、
悪い状況にうまく対処できるようになる
と述べています。

要はバランスだな、とも思うのですが、冒頭に述べた社会問題の「孤独」と、専門家達が話している「孤独」は、そもそもの中身が違っているとも思います。 

・・・以下、省略・・・

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情熱のシェア

本屋さんがどんどん無くなっています。

2019年5月時点での日本の書店数は、1万1446店。
前年比で580店減少し、この10年間では最大の減少幅となりました。

20年前に2万2296店だった書店数は、これで48.7%減とほぼ半減しました。

盛者必衰、諸行無常、人間万事塞翁が馬を信じている私としては、この現象がどんなふうに展開していくのか楽しみなのですが、やはりというか、違う形態にして「入場料を取る書店」が流行しているそうです。

▼ピックアップニュース

六本木の一等地にあった「青山ブックセンター」の跡地に、「文喫(ぶんきつ)」という書店がオープンしました。

ここは、1500円の入場料が設定されている本屋さん。
店内は4つのエリアに分けられています。 

・3万冊の本がある「選書室」
・コンセント付きの「閲覧室」
・会話ができる「研究室」
・軽食が食べられる「喫茶室」

気に入った本があればもちろん購入できますし、有料ですが、その人にあった本を選んでもらえる選書サービスもあります。

選書サービスで選ばれた本は、「なぜそれを選んだのか」が書かれた
栞がはさまっていたり、3万冊の蔵書には1冊も同じ本がなかったり、一見無造作に置かれているその配置にも意味があったり、靴をぬいでリラックスできるクッションスペースがあったりと、細やかな仕掛けがたくさんあります。

休日には行列ができるくらいになっているそうですが、多い日には1日200名ほど、平均滞在時間は3~4時間、来店客の4割が書籍を購入するとのこと。 客単価は通常店舗の3倍だそうですが、入場料、飲食料、本の売り上げを全部合わせて収支が取れている状態です。

リアル店舗がショールーム化しているという話は、本だけではくアパレルでも電化製品でも家具でも聞くようになりました。

ニトリでは全ての商品に、アプリに誘導するようQRコードをつけ、そのまま宅配まで完了させるようにしています。
その結果、2019年2月期の決算ではネット通販の割合が前期比27%増となり、増収増益に貢献しました。

デジタル化が進んだ現在、「リアル店舗をどうするか」という問いは、お客様のニーズをどうピックアップするかで道が見えてくるような気がします。

デジタルが進んだ現代だからこそ、リアルの価値があるように思えてならないのです。

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犬とビール

企業のソーシャルグッドな活動においては、各社様々なアイデアで行うことが増えていますが、一風変わった活動をする企業のニュースです。

ノースダコタ州にあるFargoというクラフトビールメーカーが保護犬と飼い主のマッチングのために行ったことが、話題になりました。

▼ピックアップニュース

クラフトビールはそのパッケージがユニークで、アート性の高いものも多く、選ぶときの楽しみのひとつになっています。

今回Fargoは、地元の動物シェルターのチームと提携してパッケージに実際の保護犬の写真をプリントし、飼い主とのマッチングをすすめる施策を行いました。

インパクトのある可愛い子犬のパッケージを、ぜひ写真で見てみてくださいね。

ビールを選ぶ時に、子犬の写真を選ぶことで、もしかしたら新しい家族を選んでいるのかもしれないというコンセプトのもと作られたこのスペシャルラベルは、4luvofdogというNPO団体のイベントで販売され、収益の一部が寄付されました。

ソーシャルグッドな活動の流れは、年々増えているように感じます。

世界三大広告賞のひとつであるカンヌライオンズでも、ここ数年でソーシャルグッド関連のプロジェクトが受賞することが多くなり、その内容を目にすることも増えました。

企業にとってソーシャルグッドは、売上に直結するものを考えることが難しく、多分にPRの要素が含まれます。

PRとはプロモーションの意味ではなく、文字通り、パブリックとのリレーションのこと。

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音楽はテレパシー?

音楽の作用は、人間にとって祝福や悲嘆、子供の教育や楽しみのために昔から重要な役割を果たしていますが、それが脳や感情、健康に与える影響については、まだ研究が始まったばかりです。

ミュージシャンと観客、両方の脳波や心拍数を調べることで、非言語のコミュニケーションが有効な認知症や自閉症の方々にとっても意味のある研究を行っているLIVELabという劇場のニュースです。

▼ピックアップニュース

カナダのMcMaster大学にあるLIVELabでは、ハイテク研究所とコンサートホールの両方の機能を持っていて、多くの分野の心理学者や臨床医学研究者、エンジニア達が、ミュージシャン、メディアアーティストなどと協力して、知覚や神経処理、人間の相互作用を研究しています。

研究者達はここで
ミュージシャンがどのように一緒に音楽を奏でているのか、
どのように動きと脳をシンクロさせ演奏しているのか、
人々は自宅でより良い音を再現できるのに、なぜライブに足を運ぶのが好きなのか、
などを研究しています。

音楽を聴いているときや演奏しているとき、脳で何が起こっているのかを
より理解することで、健康上の利点を探っているのです。

Scientific Reports誌に掲載された論文では、トリオのミュージシャンが、 感情を出さずに演奏したときよりも、表現力豊かに演奏したときのほうが
お互いの動きをより予測していることがわかりました。

また、メンバー間でのコミュニケーション量が多いほど、プロによる演奏の質の評価は高いものになりました。

ミュージシャンは、良い演奏をするために、お互いの微細なタイミング、フレージング、ダイナミクス、およびアーティキュレーション(音と音のつなぎ方や切り方でフレーズに表情を付けること)に関して、次に何をするかを予測しています。

他のミュージシャンがしていることを聞いてからでは遅れてしまい、良い演奏にならないからです。

ミュージシャン間のコミュニケーションを測定する手法は、認知症などで言語が使えない高齢患者間や、自閉症児と介護者間のコミュニケーショなど、他の状況にも適用できるので、演奏の質以上の意味を持った研究になっているそうです。

音楽を聴く時、なぜ特定の音で特定の感情が引き起こされるのか、とても不思議に思っていました。

何千年も前からお祭りでは歌って踊り、
そうする必要もないのにミュージカルでは台詞を歌にしてエンタテイメント性を高め、
映画やドラマでは音楽によってどんなシーンかを伝えるように、
音楽というものは、感情と結びつきが強いようです。

この記事の中にも、感情表現を込めた演奏をした方が、演者同士が次の動きを予測するようになるという研究結果がありました。
しかもそれは、「表現力を豊かにしよう」という意図をもって作り出された感情で、演者から自然に生まれた感情ですらありません。

つまり、音楽とは、共感能力を高くする作用があるようです。

そもそも感情は、「伝わるもの」です。

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圧倒的行動量の才能

PRや広報の仕事をしていると、「メディアに取り上げられたら一気に知名度が上がって、商品やサービスの利用者が増え、売上も上がるだろう」と楽観的に考えている方に良く遭遇します。

そうなる場合もないわけではないのですが、こう考える方は、たいていビジネスに魔法があると信じているので、まずその魔法から覚める必要があります。

そんな時に参考になるのが、今うまく行っている(ように見える)サービスが、自分たちと同じフェーズだったときに、どんなことを行っていたのか?のケーススタディです。

▼ピックアップニュース

創業者や社長、◯◯担当者のインタビューは、毎日目にするよくあるコンテンツのひとつですが、サービスや商品そのものの切り口で、ある程度の長期間の分析や物語を知ることができるのは、大半が書籍になる印象があります。

組織で提供しているサービスや商品は、複数の人数が関わって力を合わせて成功に導くので、顔が見えにくくなり共感度が下がるからという理由もありそうです。

そういった意味で、今日ピックアップしたニュースは、今や数百万人以上に使われているサービスが開始当初はどのような集客施策を行ったのかだけを、わかりやすくまとめている珍しい記事です。 

一部抜粋でざっとまとめると・・・

【BtoCサービス】
Airbnb:ブロガーマーケティング
Alibaba:店舗ユーザーに電話営業
Amazon: URLを家族や友人に送付
Apple:地元の展示会で発表
DoorDash:ローカルSEO
Dropbox:ウェイティングリストのLP+動画
Facebook:個人的招待+口コミ
GitHub:β版公開+共同で使うツールという特性
Groupon:オフィスビルで半額フライヤー配布
Hotmail:PR会社に依頼
Instagram:イベント出席+対面でアプリダウンロード
Pinterest:友人や家族+ブロガーマーケティング
Skype:友人やブロガーにβ版を使ってもらう
Tinder:大学のサークルを回ってユーザー獲得
Twitter:スタートアップ系のイベントで紹介
Whatsapp:友人や家族に利用してもらう
Zoom:高速脇のビルボード

【BtoBサービス】
Intercom:創業者がユーザー候補に直接メール
Microsoft:(ハッタリ)営業で大手との契約
Mixpanel:マニュアルでのレポート送付サービス
Paypal:リリース時PRパーティ
Salesforce:ユーザーインタビューで顧客化
Slack:友人の会社での使用、その後招待版リリース
Stripe:Yコンビネーターのコミュニティ
Trello:TechCrunch Disruptのイベント登壇 

ざっと並べてみただけでも、PR施策を明確に行っているのは、経験と資金力がもともとあるようなサービスだけで、ほとんどのサービスが時間と労力を使って直接ユーザーを集めています。 

・自分たちの友人や家族、周囲の人々に使ってもらう
・見込み顧客やブロガー、提携先など営業を頑張る
・イベントや展示会に出席したくさんの人に会い、直接使ってもらう

といった、泥臭く手も足も頭も使ってなんとか軌道に乗せ、そこから広がっていったサービスの方が多いです。

弊社ディアメディアでは普段、
「新しいことを始める時は、PR活動を行う絶好のタイミングです」と伝えていますが、同時に、PR活動だけでは初期ユーザーの獲得につながりにくい場合もあることを知っています。

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以上、先週のDearMedia Newsletterでした。

明日は、
「コンセプトのエンジン」というお話をお送りします。

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