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『ゆめくろ』を乙女ゲー嫌いがプレイした

※夢小説やキャラクターとの恋愛コンテンツを楽しんでいる人間には不快に感じる表現があるかもしれません。

 やあ、オタク! 
 実際は知らんけどこれを開いた存在は全員オタクと仮定させてもらう。

 いきなりだが私は夢小説、ひいては二次創作でモブの女性(男性)キャラクターが男性(女性)キャラクターと恋愛しているものが苦手(あくまでも組み合わせは男女で)だ。もはや地雷といってもいい。

 きっかけは小学生の時だったと思う。

 私は好きなキャラクターの二次創作をインターネット上で検索するのを日々の楽しみにしていた。ギャグマンガだったり、BLカップリングだったりは抵抗なく見ていた。

 しかし、ある日出会ってしまった。占いツクールというサイトに

 占いといいつつ小説が投稿されている訳の分からなさに興味を惹かれたことと当時pixiv件数が百を見たないコンテンツだったため、新しいものが見れるならと夢小説という言葉をよく考えず名前を打ち込んでいた。

次の瞬間、画面に映し出されたのは
[推し]が他の仲間と結託し、[自分の名前]を(性的な意味で)襲おうと画策している内容だった。

 すぐにブラウザバックした。

「なにこれ?めちゃくちゃ不愉快なんだが」と思って電子辞書で「夢」と調べた。
 当時私が使っていた電子辞書は現代のニッチな用語を取り扱っている本も含んでおり、ドリー夢という項目が見つかった。
 なんとなく概要は理解出来た。そして、生理的に無理だと思った。

 同時期、メル画というものも流行っていた。
 キャラクターから好意を寄せられているかのようなメールが来た、という体のよく考えれば夢関連の一部だったと思う。
 それも見た。無理だった。

 それ以降、私は乙女ゲームにすら拒否反応を示すようになった。

少女漫画は楽しく読んでいたし、多分主人公=自分という前提が出され、そのキャラが好き勝手動いているのが気にくわないのかと思っていたが、全然違った。
恋愛が主軸ではないゲームなら特に抵抗なく出来る。
そして私が導き出した何故こんなにも夢が嫌なのかの答えの一つはこうである。

A.逆ハーレムで主人公が異性から好意を向けられる設定が無理。
主人公=プレイヤーっぽいのに外見も性格も決まってるのが無理。
主人公がキャラと一緒にスキンに写り込んでくるのが無理。
結局恋愛ありきの関係性なのが無理。
いちいちキャラクターに口説かれるのが無理。
かといってお前なんかに興味ありませんけど?みたいな奴も無理。

結論

主人公の存在が邪魔。

 ここまで千字も使って、所謂夢のネガキャンをしている訳だが、タイトルにもある通り、人生で初めてソシャゲではあるが乙女ゲームを触った。

 理由は単純明快である。

推しが声優として出てるから。

うーん単純!

 話を夢小説を筆頭とした当時の文化に戻そう。
 私が初めて好きになった二次元キャラはファイアーエムブレム通称FEシリーズ最初の「ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣」に登場する初代主人公の王子、マルス・ローウェルである。

これはソーシャルゲーム版FE、通称FEHにて固有武器がコンマイ語並みの長さにされている王子。
ちなみに、文字数が少ないほど優位なコンマイ語に比べて文章の長い方がこのゲームでは強い
(基本的にデメリットは書かれないため)。
CV.三瓶由布子のイベントキャラに釣られて復帰したら無料で来てくれた(嬉しい)。

 このキャラを知ったきっかけは街頭アンケートするまでもなく多くの人が大乱闘スマッシュブラザーズ、通称スマブラシリーズになると思う。私もそうだし。
 若しくは風花雪月から入って過去作を漁った人。

 スマブラから入った人は固有アピールの台詞からナルシストっぽい、キザっぽいなどの印象を抱き、私が小学生当時そういう二次創作が跋扈していた。
 正直、初めて見たときは私も上記の印象を抱きそこまで好きではなかった。

 そんな偏ったイメージによる創作だらけの中、ファンタジー路線の漫画を描いている人がいた。原作のキャラクターに二次創作の成分も足して可愛くてコミカルな表現からシリアスまでやって完結させていた。

 私がこのスマブラというクロスオーバー作品からFE単体への興味というか王子推しになったキッカケはほぼこの人の描くマルスというキャラが魅力的だったせいである。

 ※ちなみにその漫画は近年のサーバーのサービス終了、ブログ終了などに近い原因で読むことが出来ない。私は読める。DLしてたから。

 そんなこんなで小学生当時の私はマルスというキャラクターが知りたくてたまらなかった。そのため、DSiのブラウザ機能でwikiを読み込んだし、twitterでマルス推しの先輩方が持っている資料から読み取れる人物像の考察、覚醒でDLCとして登場したときは固有台詞に全員がざわついていた。

 マルスというキャラを軽く紹介しておこう。
 基本的にはメンタルもフィジカルも弱い。ファイアーエムブレム初代の発売当時、開発者コメントとして載っていた内容に「『戦争は凄惨で悲しいものだ』ということを伝えるためにこのシナリオを書いた」みたいなことが書かれていた(画像があったはずだが探し出せなかったので実質ソースはないし、うろ覚えだけど許して)。

 また、OVA版、漫画版でも幼い王子が鹿狩りで子鹿も殺せないのかと父のコーネリアスに怒られるシーンがある。
 要所要所で「人を殺したくない」「罪のない市民が死んでいくのが耐えられない」などの発言もしている。
 他にも自軍が殺してしまった敵国の兵士の墓に花を手向けて回るなど、戦争中の、しかも古代ローマ風で倫理観などが現代とは違うであろう世界で一人現代の価値観を持っているように見える。
 これは転生系のラノベではありがちだが、マルスは16歳で軍を率いる正真正銘アカネイア大陸で育った存在なのである。

 ここで「戦争は凄惨で悲しい」ということを伝えるためにマルスは現代に近い価値観を持っているのではないか?という仮説が生じる。
 心優しい王子と語られるが、その実、プレイヤーと世界観の間に生まれる倫理観の齟齬を埋めるために作られた設定とも考えられる。
 現代のラノベなら現代の技術を持った主人公が説得やチートを用いて人を殺さず解決していくがFEはそうならない

マルスは王族であることを除きその世界において普通の人間だからだ。

「貴方は英雄の子孫、祖国を取り戻すために戦うのです」といわれてはもう敵と戦争をする=他人を殺す以外ないのだ。

 しかし、本人からすれば人を殺して英雄と呼ばれ、伝説だと囃し立てられても「人を殺した罪」が消えるとは思えないし、マルスからすれば自分は大虐殺を起こした軍を率いていた罪人に違いないのだ。

 ちなみにこれは「ファイアーエムブレム 新・紋章の謎」と覚醒のDLCを読んだときに感じたことだ。他の解釈はあると思うし、ずいぶん長く推している上、記録なんて付けないからどこからこの解釈になったかはわりといい加減だ。

 約5年程単体で推していた。pixivや遺跡(もはや見なくなった個人サイトやブログに置かれた二次創作のこと)を虱潰しに巡ってたった1000字の二次創作で1年食いつないだりした。

 そして冒頭の夢小説に出会った件に戻る。冒頭で語った[推し]とは何を隠そうこのマルス王子のことであるし、その仲間というのはスマブラに参戦していた他のFEキャラや人型のイケメンキャラだ。


 閑話休題


 そんなキャラを画面越しに推していた私は当時、外の世界と一切交流が無かった。友達もいないし、出かける時といえば家族での買い出しくらい。

 私の中で好きなキャラ=画面の向こうだったし、現実で好きな人がいた幼少期は実際付き合ったりしたら気恥ずかしさで脳みそがどうにかなるんだろうなと思っていた。

 故に私は画面の向こうのキャラを応援しているただの一般三次元人でありたい。

一般三次元人って何?


 乙女ゲームが打ち出してくる「貴女が画面の中に!」「画面の中の彼と!」みたいなのが心底薄ら寒いと思ってしまう。
 画面の中の女性キャラを貴方(仮)ですよ、といわれてもピンとこないし、誰もがお洒落にこだわって女子女子していると思わないでほしい。

 未だに女性と入力すると出てくる長髪で暖色の服を着ているまつ毛バシバシのアバターに嫌気がさすし、どうぶつの森で異性の服や髪型が選べるようになったときはなにか許されたような気さえした。

 私は自分の性別に否定的だという自覚があるから尚のこと、この「乙女ゲーム」や「夢小説」に共感出来ない。

 そんなことを「ゆめくろ」をしながら考えているし、スキンの女主人公が男性キャラに抱きかかえられたりしているのを見て吐き気までいかなくとも「こんなイラストに情緒をいい方向に動かされている人間だと思われているの嫌だな」と思う。

※イラストのシチュエーションが無理なだけでイラストや世界観自体は好きです。

 しかし、都合上どうしても出てくるし、どうせなら他のキャラと同じく肩を並べて会話していてほしい。この「エマ(デフォルト名)」という少女の役をこちらにやらせないでほしい。

 ちなみに全く同じ理由であんさんぶるスターズがプレイ出来ない。イラストは綺麗だし、ゲーム性も好きだが、キャラクターがこちらをあんずちゃんとして求めてくるのが無理すぎる。
 上手く切り離せる人もいるんだろう。私には無理だ。
 それに、ホームでのキャラはどう考えてもこちらを女性(確定)で接してくる。画面の向こうで静観させてくれ。頼むから。

 そんな私がゆめくろを平穏にプレイするにあたって考えた策がこうである。

 
 プロデューサーは性別不明でこんな私にもやりやすい恋愛要素0の
アイドルマスターSideM GROWING STARSをよろしくな…

プロデューサーになることだ。

 これならホーム台詞はアイドルからの事務的な報告か、一緒に仕事をしていく上での雑談や信頼だと捉えることが出来る。

 ストーリーは基本飛ばし飛ばし読んで推し声優が実装されたらちゃんと大筋を追う。また、キャラの過去ストーリーに「エマ」は出てこないので普通に読める。

純粋に楽しむとは言い難いがこれで最小限のダメージで済む。

 ここまで読んだ君はこう思ったんじゃないか?

「いやそこまでする必要ある?」

 絶対にやめない…せめて……

 

10年来の推しのキャラ声を聴くまでは…

(2022年4月24日時点未実装)

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