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【読書録】「死にたいって誰かに話したかった」人間そう簡単に変われない

3月の本は南綾子の「死にたいって誰かに話したかった」。
ここ最近、前職時代のように「死にたい」と思うことが増えました。
タイムリーだったので読んでみた。
お気に入り度 ★★

人に言えない、伝え方が分からない4人の大人が、定期的に集まって
「生きづら会」を開催し、模索しながら前に進むものがたり。

奈月が自分の話をするところは、自分と近いものがあってぐさっと来た。
結婚したら何かが変わると信じ、なんとか毎日を耐えているところ、
誰かの役に立つことを第一とし、空回りしてしまうところ。
本当に人がこわいときって、自分が発する言葉ひとつが気になってしまう。
人に認められることで自分の存在価値を決めているところが自分と似ていて読んでいてつらかったです。
ついでに茜の、自分が人より上か下かを常に気にしてしまう性格の部分も読んでいてつらかった。

親との関係が今の自分を形成するという考えは確かにその通りと思う反面、
親のせいにせず、今をどうするかでしょと考えている派ですが(中高時代にこの悩み通過済み)、
とはいえ幼少期の教育環境は思わぬところで影響が出るのだと感じました。
正直、ゆうたの行動は結構読んでいて衝撃だった。
女の子との関係の築き方、衝動的な行動の数々…
自己愛は一歩間違うと危ないほんとうに。

話すこと、聴いてもらうことって人を前に進めさせるんだなと思ったら
ドラマ「いちばんすきな花」を思い出した。
この物語を超アバウトに表現すると、ドラマに出てくる4人の過去をもっと重くした感じです。

読んで自分の悩みがすっきりするとか、気持ちが前向きになるとかはありませんでした。
この本みたいな重く苦しいシーンに引っ張られないように、
「小さいことを勝手に大きくしない」「やっぱ物事はおもしろおかしく捉えたほうが生きやすい」ということを肝に銘じています。
次何読もう。



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