「未来の新常識を創る!」名大生など13大学が一丸でイベント主催 TEDxNagoyaU
既成概念にしばられたくない! 固定観念から抜け出したい!
そんな人におすすめのイベントが6月30日、名大の東山キャンパスで開かれます。「未来の新常識を生み出す」先駆者たちが、それぞれの価値あるアイデア、パフォーマンスを発表するイベント「TEDxNagoyaU(テデックスなごやユー)」。TED(テッド)という単語を耳にしたことのある人もいるのではないでしょうか。
今回のイベントタイトルは「Hit Reset」。登壇者(スピーカー)のプレゼンや参加者同士の交流を通じ、参加者が衝撃と刺激を受け、自身の考え方をもリセットさせられるような企画を目指しています。スピーカーはSNSフォロワー100万人以上の日本語教師、耳に付けないイヤリングを考案して起業した中学生社長、食品の鮮度を長く維持できる装置を開発して食品ロス低減を目指す事業家など、新進気鋭の8人が名を連ねます。
“世界のTED”から正式ライセンス取得「TEDxNagoyaU」
TEDは、世界各国の著名人による講演イベントを企画・運営する米国の非営利団体。「広める価値のあるアイデア」を18分以内でプレゼンする企画に、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏、iPhoneの生みの親でApple創業者のスティーブ・ジョブス氏、元米国大統領のビル・クリントン氏など様々な人物が登壇して話題を集めてきました。
そんな“世界のTED”から公式承認を受け、名大生が中心となって運営するのがTEDxNagoyaU。名大生をはじめ、愛知県内の大学に在学中の学生が参加する名大公認サークルです。現在のメンバーは13大学の44人。年1回のメインイベント(今年は「Hit Reset」)と、年3回の小イベント(サロン)を企画し、スピーカーの選定からイベントの進行、会場の演出、集客、アフターパーティーの運営、協賛企業との交渉まで、すべてを学生だけでプロデュースしています。
スピーチ・演出は登壇者とスタッフが二人三脚で作成
TEDxの代名詞でもある強烈なインパクトを放つプレゼンは、実はスピーカーだけでなく運営スタッフと共同で作るのがTEDxの流儀。スピーチ原稿はもとより、参加者に見せる資料から登壇時の服装、ジェスチャー、照明などの演出までスタッフが二人三脚で創り上げます。
スピーチは「キュレーター」と呼ばれるメンバーがキュレーション(監修)します。キュレーターを務める谷田幸貴さん(名大理学研究科 博士後期課程1年)は、「スピーカーさん自身が伝えたいことと、TEDxNagoyaUが発信したいことの間を取り持つことが難しいこともありますが、スピーカーさんのアイデアをベースにスピーチがより魅力的になるよう議論することが大事」と感じています。
「人の話を聞いて議論することがあまり得意ではなかった」という谷田さん。「社会に出ると、自分だけで昇華させた考えでは乗り切れない部分も多々起きると思うので、この経験を将来に活かしたいです」と話します。
メンバーが一体となり一つのイベントを創り上げる
メインイベント開催まであと1カ月に迫った5月30日。オンライン会議が午後8時から始まりました。この日集まったのは37人。それぞれが統括、イベント運営、広報、渉外、プレゼン企画といった役割を担当するチームに所属し、チームごとに進めてきた職務の進行状況や課題を会議で共有します。
「スタッフの(統一)Tシャツを発注しました」「スピーカーの話を15分以内にまとめられそう?」「パーティーのブースを決めるから豊田講堂の現場を見に行こう」「資材を運ぶ車を出せる人いる?」――。
各チームから続々と持ち上がる報告や相談は多種多様。こうした情報を統括チームが“交通整理”しながら全体に共有し、対応を促したり解決策を導いたりしながら会議が進行します。
統括を担当する岩田果穂さん(名大情報学部3年)は、「みんなで1つの目的に向かって活動することをしたい」と思ってTEDxNagoyaUに参加しました。現在は代表を務め、TED本部との交渉やイベント全体の統括、対外的な活動などで精力的に活動しています。「価値あるアイデアを広めることで、日本の発展や社会がよりよくなることに貢献できる。イベントに参加いただいた誰からも、参加してよかった、新しいものが得られたと思ってくださることがうれしいです」と、活動に没頭する毎日です。
午後9時半、定刻どおり会議は終了。進行役が「各チームでやることをしっかり把握して、本イベントの2週間前のリハーサルで完成度100%を目指しましょう!」と意識を統一。“お決まり”の「一本締め」で締めくくりました。
TEDxNagoyaUは2013年、日本の大学に先駆けて発足。学生のTEDxで唯一、コロナ禍も活動を途切れさせず継続し、国内で最も歴史のあるTEDx団体として定着しました。メインイベントでは、インパクトのあるプレゼンと、プレゼン内容への理解を深める意見交換会、参加者同士の交流パーティーを企画し、参加者から満足度で5段階評価の4.75ポイント(昨年度)と非常に高い評価を得ています。
渉外業務を担当する名大の今井宏晃さん(法学部2年)は、「社会人と関わってみたかった」と活動に参加。渉外担当として協賛の確保に企業を巡り、イベントの企画や運営、集客などにも奔走しています。協賛企業は現在40社。「ここ数年、着々と増えています」と、手応えを感じています。
「一般的なフェスは、その時を楽しんで、騒いで終わり。TEDxは終わった後も刺激が残り、参加者も登壇者も、企業も『参加して良かった』と思ってもらえる誇らしい活動です」と今井さん。この1年の集大成を目前に控えつつ、すでに目線は次のステップに。来年度は集客規模を倍以上にしたい――。その先に続く構想に胸を高鳴らせます。
TEDxNagoyaUは、2024年のメインイベント『Hit Reset』の参加者を募集中! 詳細は以下をご覧ください。
日時:6月30日 12:30~19:30
場所:名古屋大学ES総合館・ESホール,豊田講堂
参加費:学生1000円、大人3000円
申込先:https://tedxnagoyau.github.io/2024MainEvent_Hit-Reset/
締切:6月15日23:59