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【名大URA通信】vol.49「あるべき社会の仕組みづくりに携わっていきたい」


[1] 【URAコラム】あるべき社会の仕組みづくりに携わっていきたい

谷内田 絢子(やちだ・あやこ):栃木県出身。大学では経済学を専攻。企業勤務を経て、東京工業大学大学院情報理工学研究科に進学。博士(学術)。NGOで約5年間勤務後、2021年4月名大URAとして着任。★現在、谷内田さんのバディとなるCOI-NEXT担当URAを募集しています!(7/5締切)

ー谷内田さんは、NGOからURAへ転職された、珍しいケースですね。まず、大学院ではどのような研究をされていたんですか?

ー(谷内田)大学院では、コミュニティデザインやまちづくりの研究をしていました。学部時代は国際経済学など、とても大きな規模での現象を学んでいたんですが、もっと小さな単位で人と人がつながって参加できる社会が大切だなと思って、そういう研究ができる大学院に進学しました。

ーなるほど、修了後にNGOに入られたのも、そういう関心からなんですね。

ー(谷内田)私がいたNGOでは、国内外の災害支援や復興支援をしていて、特に私は東北震災の復興支援を担当していました。実は大学院生時代に、1年間フランスに留学したのですが、そこで東北の震災について聞かれることが多く、自分が復興に何も貢献できていないことにジレンマを感じました。当時は博士論文を書くことに集中せざるを得ませんでしたが、無事学位をとった後に、「何をしようか」と考えたとき、「社会的実践の場で働きたい」という気持ちが高まって、NGOに就職することにしました。

ーNGOで充実した仕事をされていたと思いますが、名大のURAにはどういうきっかけで?

ー(谷内田)実はあまり積極的な理由ではないんですが(笑)・・・夫の仕事関係で名古屋に引っ越すことになり、私も名古屋に同行することになったのが、一番の理由です。当時、上の子が3歳、下の子が1歳で、保育園に入れるためには自分も仕事をしないといけない! と思って、引っ越しが決まった秋ごろから、名古屋での仕事をいろいろ探していました。

ー保活のための就活!?(笑)

ー(谷内田)そんな中で、名大がCOI-NEXT「育成型」の「Futureライフスタイル社会共創拠点」をマネジメントするURAを公募しているのを知って、「マネジメント・・・私にできるかな?」と思いつつも応募したところ、採用していただいた、というのが、今に至る経緯です。

ーCOI-NEXTは、あるべき社会像に向けて研究開発を進める研究拠点プログラムですから、谷内田さんのバックグラウンドを活かせる公募でしたね!

ー(谷内田)そうですね。残念ながらそのプロジェクトは「本格型」には進めず2年で終了したんですが、その後「セキュアでユビキタスな資源・エネルギー共創拠点」のCOI-NEXT申請支援に携わって無事採択され、現在はこの研究プロジェクトの運営支援を主に担当しています。

趣味は公園巡り。休日はお子さんと一緒に近場のいろいろな公園に出かける。
お気に入りは、名東区の牧野ケ池緑地。
「大きな池やアスレチックなどが充実していて、オススメです!」

ー研究プロジェクトの支援をする上で、難しいと感じるのは、どういうところですか?

ー(谷内田)例えば、先生方の意見をどうやってまとめて、組み立てていくか、という点ですね。運営会議などではいろんな意見が出るのですが、決定事項としてはまとまりにくい、という問題を感じることがあります。

ーそれはよくあることですね。

ー(谷内田)なので、会議資料をつくるときには、決めて欲しいところを空欄にしたり、あらかじめたたき台を提示したりして、物事が決まりやすいように工夫しています。
 他には、日程調整や予算配分など、先生と事務の方との間や、異なる事務部署との間をつなぐ立場になることが多いのですが、そういう調整事が多くなり過ぎると、肝心の「研究」の方に目を向けられなくなる、という課題も感じています。事務の方たちと密にコミュニケーションをとりつつ、任せられるところは任せていかなければ、と思っているところです。

ー谷内田さんのバックグラウンドをもっと活かした企画などができるといいですね。

ー(谷内田)そういう意味では、私のもう1つの担当である、未来社会創造機構Future Society Studio(FSS)は、企業や市民など様々なステークホルダーの方々と対話しながら社会課題解決の道筋を議論するプラットフォームで、私もひとりの参画メンバーとして楽しく活動しています。

ー最後に、これからの抱負を教えてください。

ー(谷内田)COI-NEXTの先生方と「社会実装」に関する知見を深めていこうと話をしています。大学ではよく「技術の社会実装が重要」などと言いますが、研究から生まれた技術を社会で実際に役立てようと思うと、いろいろな障壁があるんですよね。それは制度的な問題のこともあるし、市民の意識の問題だったりもする…。「社会実装」に立ちはだかる障壁が何なのかを明らかにして、それを取り除くことではじめて「イノベーション」が起こせるんじゃないか、と考えています。COI-NEXTやFSSの活動を通じて、そういう社会の仕組みづくりに携わっていきたいと思っています。

ー大学院で描いた社会の実現に向けて、活躍を応援しています!

[2] 学術産連セミナー「名古屋大学の産学官連携制度のご紹介」

受託研究にも教員参画経費の導入が可能になるなど、次年度から名古屋大学の共同研究・受託研究の制度が変わります。今回のセミナーでは各種産学連携制度について,、制度改正後の内容も含めて紹介します。
・日時:2024年7月17日(水)8:45~9:15 *オンライン
・話題提供:松崎 瑞季(産学協創・国際戦略部門 URA)
・対象:東海国立大学機構の教職員
・詳細・申込:https://www.aip.nagoya-u.ac.jp/headquarters/seminar

[3] 宇宙戦略基金の公募が近づいています!

今年4月、内閣府等は「宇宙戦略基金」の基本方針及び実施方針を公表しました。本基金は7月より順次公募が開始されます。そこで、公募開始に備えて、現時点で公表されている情報等を整理してお伝えする説明動画を作成しました。今期申請を検討されている先生だけでなく、次期以降の公募への申請を検討されている先生方も、以下のURLから、ぜひご視聴ください。
・概要説明(公募開始前動画)
https://www.aip.nagoya-u.ac.jp/event/22340.html
↑↑各種参考資料やWebサイトへのリンクもまとめています。

[4] 文系向け科研費応募戦略セミナー開催

本学人文社会系において科研費の実績をあげておられる研究者により、採択に至る経験をもとにコツや勘所を語っていただく「文系向け科研費応募戦略セミナー」を今年度も開催いたします。文系大型科研費の採択者から直接お話が伺える貴重な機会ですので、どうぞご参加ください。
・日時:2024年7月25日(木)15:00~15:50 *オンライン
・講師:花薗 誠(経済学研究科 教授)、荒見 玲子(法学研究科 教授)
・対象:東海国立大学機構の教職員
・詳細・申込:https://www.aip.nagoya-u.ac.jp/event/22338.html

[5] PI育成セミナー「今すぐ使える資料デザインの法則と技術」

プレゼン資料や申請書、レポートなど、我々は、人目に触れるさまざまな資料を日々作っています。一方で、資料に対する意識の高まりから、こうした資料では「見た目も」重視されるようになってきました。本セミナーでは、読みやすく、見やすく、見栄えのよい資料を効率的に作るためのデザインの法則と技術を紹介します。
日時:2024年7月16日(火)14:00~15:30 *オンライン
・講師:高橋 佑磨(千葉大学 大学院理学研究科 生物学研究部門 准教授、
        伝わるデザイン:研究発表のユニバーサルデザイン主宰)
・対象:東海国立大学機構の若手研究者が主な対象ですが、学部生、大学院生、教職員であれば参加可能です。T-GExのアソシエートも参加可能です。
・詳細・申込:https://www.aip.nagoya-u.ac.jp/event/21807.html

[6] 名大発アカデミックフラッシュ 第36報

若手研究者による若手研究者のための「アカデミックフラッシュ」第36弾!
日時:2024年7月24日(水) 12:00~13:00 *オンライン
・発表:前田 啓子(名古屋大学 医学部附属病院 消化器内科 助教)
    萩尾 華子(名古屋大学 高等研究院/生命農学研究科 特任助教)
    魏 晨(岐阜大学 地域科学部 助教)
・対象:東海国立大学機構の若手研究者が主な対象ですが、学部生、大学院生、教職員であれば参加可能です。
・詳細・申込:https://www.aip.nagoya-u.ac.jp/event/21932.html

[7] Tongaliイノベーターズチャンネル2024

■ Tongaliスクールの魅力を探ろう
「Tongaliスクール」の名前を聞いたことがありますか? Tongaliは起業に必要なノウハウやスキルを学ぶ場として「Tongaliスクール」を提供しています。今回のTチャンでは、Tongaliスクールをより深く知るために、過去のスクールに参加した方々の体験談をお聞きします。イベント後半では、前回も好評だった参加者の交流会も開催!Tongaliスクールに参加して、新たなキャリアの一歩を踏み出しませんか?
日時:2024年7月4日(木) 18:15~19:45 *オンライン
・ゲスト:小林功英(岐阜大学工学部3年)、髙橋一矢(中京大学4年)
・対象:どなたでも
・詳細・申込:https://tongali.net/events/tic2024-2nd/

■ Tチャン 海外編2024<1>中国編
中国は世界のスタートアップ エコシステム ランキングで第 2 位にランクされています。ゲストのSophia SHANG 氏には北京の TUS ホールディングスとサイエンス パーク、スタートアップ エコシステムについて、Jie SHI 氏には自身の会社と経験についてご共有いただきます。
日時:2024年8月2日(木) 10:00~11:00 *オンライン
・ゲスト:Ms. Sophia SHANG(CEO, TUS China-Japan Cross-Border Innovation Platform)、Mr. Jie SHI(Hongtu AI Founder)
・言語:英語
・対象:どなたでも。特に大学生・大学院生
・詳細・申込:https://tongali.net/events/tic2024-intl-1st/

[8] 名大カフェ ★7月は対面とオンラインの2件開催です★

■ 第105回名大カフェ「次世代の健康も守りたい-私たちの健康を左右する社会的決定要因とは?」
人々の健康は、個人の健康意識や努力だけでなく、住んでいる地域や社会経済的な状況によって大きな影響を受けています。次世代の健康にも重大な影響を与えるため、どう対策するかが重要です。‟健康の社会的決定要因”という概念から日本を眺めつつ、自分や家族、次世代の健康を守るための戦略を一緒に考えませんか?
日時:2024年7月5日(金)19:00~20:15 *オンライン
・ゲスト:永吉 真子(医学系研究科 予防医学 講師)
・対象:どなたでも
・詳細・申込:https://www.aip.nagoya-u.ac.jp/research-information/mcafe/event105

■ 第106回名大カフェ「炭素でつくる太陽電池」
炭素の世紀、21世紀。再生エネルギー拡大のカギを握る太陽電池を、炭素を活用してつくるプロジェクトが名大で進行中です。炭素だから「透明」で「曲がる」太陽電池をつくることができます。全く新しい太陽電池のしくみから新たな活用を模索する取り組みまで、プロジェクトリーダーの松尾さんが語ります。炭素を活用した透明で曲がる太陽電池、あなたならどう使いますか?
日時:2024年7月26日(金)18:00~19:30 
・ゲスト:松尾 豊(工学研究科 教授)
・会場:TOIC NAGOYA(東山キャンパス内)
・対象:どなたでも
・詳細・申込:https://www.aip.nagoya-u.ac.jp/research-information/mcafe/event106

[9] 名大研究フロントライン|AR×感染症/コンクリ―ション

■ イベントレポート「第104回名大カフェ「AR×感染症」
・岩波 翔也(理学研究科 講師)/ 高天夫(X REAL JAPAN)

■ プレスリリース連動 最新研究がもっとよくわかる!シリーズ
・吉田 英一(名古屋大学博物館 館長・環境学研究科 教授)

最後までお目通しいただきまして、ありがとうございました!
■発 行:名古屋大学 学術研究・産学官連携推進本部
■問合せ:企画・プロジェクト推進部門   
■メール:outreach@aip.nagoya-u.ac.jp  電話:(747)6527

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