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【名大URA通信】vol.41「大学の先生は、思ったほどハードルが高くない!」


[1] 【URAコラム】「大学の先生は、思ったほどハードルが高くない!」

小郷和彦(こごう・かずひこ):大阪府出身。神戸大学大学院工学研究科で有機合成化学を専攻。修士課程修了後、倉敷紡績株式会社に入社し、非繊維事業の開発・推進業務に従事。2019年名古屋大学URAとして着任。大学で草野球を始め、PTAのソフトボールチームや会社の野球部にも所属。「”60歳で大会に出たのは初めて”と言われました。」最近はビリーザブートキャンプのDVDを引っ張り出して、ひとり体を動かしている。

ー繊維業の企業で、「非」繊維事業の開発をされていたんですね。

ー(小郷)はい。最初は「技術研究所」の研究員として半導体向けプラスチックの素材開発などを手掛けて、その後は「事業化推進部」でバイオメディカルやエンプラ関連事業の開発など、一貫して「非」繊維分野の事業化に携わりました。事業のタネをつくるところから始めて、他の企業や大学などの技術と組み合わせながら、いろんな物質や部品などを開発しました。

ー当時から、企業の立場で産学連携に関わっていたんですね。

ー(小郷)そうですね。現在はメディカルイノベーション推進室(MIU)で医学系の産学連携の立ち上げ業務などを支援しています。

ー具体的にはどんな流れですか?

ー(小郷)大きく分けると、①企業と先生が共同研究の話を始めてからMIUに支援相談が入る場合と、②企業からMIUに相談が入って先生とつなぐ場合、とがあります。どちらの場合も、秘密保持契約や共同研究契約などについて、知財部門のURAとも連携をとりながら進めていきます。医学系の研究の場合、共同研究の前に学内の倫理審査委員会にもかける必要があって、それだけでも早くて3か月かかるので、契約までけっこう時間がかかります。

ーだいたい何件ぐらいの案件を同時に進めている感じですか?

ー(小郷)審査待機中の案件も含めて、だいたい20~30件ぐらいでしょうか。

ーけっこう多いですね! でも、共同研究契約には必ずしもURAが仲介する必要はないですよね。先生方や企業は、どうしてMIUに支援を求められるのでしょうか?

ー(小郷)先生も企業も、相手に言いにくいことがあるんです。例えば、お金の話とか、先生が直接言いにくいことも、URAなら代わりに言ってあげることができます。実際、三者で話をしていると「もう少し言いたいことがあるんじゃないか?」って感じることがよくあります。そういうときに本音を引き出して大学と企業の間をとるのが、私たちURAの役割です。

週末は大阪に帰って家族と過ごす。
まだ5か月の愛犬ルーナの世話にかかりきりになる。

ー(小郷)実は、名大に来て思ったのは「先生方が優しい」ってことなんです。僕は企業にいた頃、大学の先生ってもっと怖いイメージでした。でも実際に中に入ってみたら、思ったほどハードルが高くない! 怖い先生っていなくなったんだろうか!?

ー笑~! 

ー(小郷)先生も企業も、相手をよく知らないから怖いんですよ。だから言いたいことが言えない。ギクシャクしなければ事務手続きだけで終わります。でも、そうはならないものです(笑)。

ー企業にいたからこそ、企業側の気持ちもわかるんですね。最後に、今後の抱負を教えてください。

ー(小郷)先生の良い技術を社会に示せるよう、社会実装までお手伝いしてみたいですね。企業同士だと共同「開発」契約ですが、大学と企業だと共同「研究」契約なので、社会実装までのスピードが違います。でも、先日、機構の子会社「TII(Tokai Innovation Institute)」ができたことですし、上手くつないでいきたいですね。 (了)

[2] 「2023年度 東海国立大学機構100人論文」開催!

 「東海国立大学機構 100人論文」とは、部局を超えた研究者の交流を生み出し、連携のきっかけとなることを目的としたオンライン研究交流イベントです。 様々な分野の研究者が、匿名で 「私の研究(関心事)はこんな感じ」 「こんなことに挑戦したい!~他分野の研究者と一緒に新しくチャレンジしたいこと~」「私、こんなことができます」 の3点を紹介し、参加者はその内容に自由にコメントをつけることができます。
 コメント投稿のみの参加も可能です。コメントでの交流ののちに連絡先を交換し、本格的な研究交流へと進めることもできます。
 東海国立大学機構の教職員・大学院生であれば、どなたでも参加可能です。異分野との連携に興味がある方や、研究者間での交流を楽しみたい方、
機構内で行われている様々な研究を知りたい方など、どなたもお気軽にご参加ください。
参加登録期間:2023年11月1日(水)~12月28日(木)
・交流期間:2023年12月1日(金)~12月28日(木)*オンライン開催
・対象:東海国立大学機構の教職員・大学院生
・詳細:https://www.aip.nagoya-u.ac.jp/academic-research/100nin-ronbun

[3] 科研費 大型種目セミナー

 昨年度好評を頂きました科学研究費の大型種目セミナーを実施致します。今年度はチーム型種目の国際先導研究、学術変革領域A(領域代表)、学術変革領域B(領域代表)への採択経験について、ご紹介頂きます。
 近く応募を予定されている研究者の皆様にはもちろん、中長期的に応募を検討される中堅・若手の先生方も、貴重なお話が聞けるこの機会に是非ご参加ください。
・日時:2023年12月8日(金)14:30~15:55 *オンライン
・採択事例紹介:
 国際先導研究:宇宙地球環境研究所 塩川和夫 教授
 学術変革領域A:トランスフォーマティブ生命分子研究所 大井貴史 教授
 学術変革領域B:理学研究科 森島邦博 准教授
・対象:東海国立大学機構の教職員
・詳細・申込:https://www.aip.nagoya-u.ac.jp/event/19145.html

[4] T-GEx研究成果エキシビジョン

人類の未来を切り拓いていく力を持った世界トップクラスの人材の育成を目指す、若手研究者育成事業「T-GEx(Tokai Pathways to Global Excellence; 世界的課題を解決する知の「開拓者」育成事業)」。令和5年度研究成果エキシビジョンとして特別講演と事業参画研究者のポスター発表を行います。
・日時:2023年11月28日(火)10:00~18:00 *ハイブリッド開催
・特別講演:
「探究心と好奇心が導く分野横断とイノベーション」東京大学 上村想太郎氏
「専門バカになろう」放送大学 大山泰宏氏
・会場:名古屋大学 物質科学国際研究センター「野依記念学術交流館」
・詳細・申込:https://www.t-gex.nagoya-u.ac.jp/exhibition2023/
 申込〆切:11月17日(金)

[5]  11月の学術研究・産学官連携セミナー

機構の教職員を対象に、学術研究や産学官連携情報を提供する本セミナー。11月は、医学系研究者を対象に産学連携や外部資金獲得などの支援を行う「メディカルイノベーション推進室」の活動についてご紹介します。
・日時:2023年11月15日(水)8:45~9:15 *オンライン
・話題提供:小郷和彦(名古屋大学学術研究・産学官連携推進本部
      メディカルイノベーション推進室 首席URA)
・対象:東海国立大学機構所属の教職員(機構内限定)
・詳細・申込:https://www.aip.nagoya-u.ac.jp/headquarters/seminar

[6] PI育成セミナー「メディアの目に留まる」プレスリリースの書き方ー伝わる構成と記事になる仕掛けー

プレスリリースは、研究論文を要約した“概要文”ではありません。新聞、テレビなどのメディア関係者を対象に“ネタ”として提供することで、記事やテレビ番組で紹介される機会を得る目的で発信します。では、メディアはどんな情報を求め、どんな情報なら記事にするのでしょうか? 元新聞記者である講師が、記事化されるための要素や条件、メディア業界の実情などを紹介しつつ、「メディアの目に留まる」書き方を解説します。
日時:2023年11月21日(火)14:00~15:30 *オンライン
・講師:福井達之(名古屋大学総務部広報課 主任事務系専門職)
・対象:東海国立大学機構の若手研究者が主な対象ですが、学部生、大学院生、教職員であれば参加可能です。T-GExのアソシエートも参加可能です。
・詳細・申込:https://www.aip.nagoya-u.ac.jp/event/18828.html

[7] 名大発アカデミックフラッシュ 第28報

若手研究者による若手研究者のための「アカデミックフラッシュ」第28弾!
・日時:2023年11月22日(水)12:00~13:00 *オンライン
・発表:名古屋大学宇宙地球環境研究所 菊地亮太 特任准教授
    名古屋大学遺伝子実験施設 高木紘 研究員
    岐阜大学地域科学部地域文化学科 府川純一郎 助教
・対象:東海国立大学機構の若手研究者が主な対象ですが、学部生、大学院生、教職員も参加いただけます。
・詳細・申込:https://www.aip.nagoya-u.ac.jp/event/18826.html

[8] あいちサイエンスフェスティバル2023サイエンストーク

11月のラインナップをご紹介!

■ 図書館サイエンス夜話「心臓外科医が考えた、拡張型心筋症の新たなテイラーメイド治療法」
・日時:2023年11月1日(水)18:30~19:45

・ゲスト:名古屋大学医学部附属病院 秋田利明 特任教授
・会場:名古屋市鶴舞中央図書館 第1集会室
・詳細・申込:https://aichi-science.jp/event/detail.html?id=3137

■ 地図にも載っていない! 都市計画がない都市の研究
・日時:2023年11月4日(土)15:00~16:00
・ゲスト:豊橋技術科学大学 小野悠 准教授
・会場:ワインバー「ボクモ」(名古屋市中区栄5丁目26-39GS栄ビルB1)
・詳細・申込:https://aichi-science.jp/event/detail.html?id=3192

■ 端材で創って食べる~バターナイフづくりワークショップ~
・日時:2023年11月12日(日)11:00~12:30
・ゲスト:名古屋造形大学 鈴木光太 教授
・会場:名古屋造形大学 名城公園キャンパス 3階共同工房
・詳細・申込:https://aichi-science.jp/event/detail.html?id=3193

■ 第3回iGCOREサイエンスカフェ 糖鎖って何?~生命科学が変わる!
  ヒト糖鎖計画(ヒューマングライコームプロジェクト)

・日時:2023年11月17日(金)19:00~20:00 *オンライン
・ゲスト:名古屋大学糖鎖生命コア研究所 郷慎司 特任准教授
・詳細・申込:https://aichi-science.jp/event/detail.html?id=3244

[9] Idea Stoa LUNCH Vol.12「あなたの”生き辛さ”は、”毒親”の影響かもしれません」

人生は苦悩を克服しながら成長するものですが、その生き辛さがいつまでも続く場合は、「毒親」による影響の可能性も一考する必要があります。「毒親」って何? どんな影響を受けているの? お昼ご飯がてら少しお話ししませんか。
・日時:2023年11月16日(木)12:10~13:00
・会場:名古屋大学NIC館 Idea Stoa
・ゲスト:金森史枝(名古屋大学総合保健体育科学センター)
・対象:主な対象は研究者ですが、それ以外の参加も歓迎です
・詳細:https://ideastoa.aip.nagoya-u.ac.jp/events/ideastoalunch12/

[10] 名大研究フロントライン Podcast & note

・ライフキャリアイベント レポート|KMI 宮武広直 准教授・国際広報室 南崎梓 副室長

・名大カフェ 開催レポート|工学研究科 佐宗章弘 教授

↓ ☆プレスリリース連動 最新研究がもっとよくわかる!シリーズ☆

・理学研究科 岩見真吾 教授

・情報学研究科 平井真洋 准教授

・医学系研究科/附属病院眼科 山田和久医師

最後までお目通しいただきまして、ありがとうございました!
■発 行:名古屋大学 学術研究・産学官連携推進本部
■問合せ:企画・プロジェクト推進部門 情報発信ユニット  
■メール:outreach@aip.nagoya-u.ac.jp  電話:(747)6790


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