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7200年前の沖縄に多くのブタがいた 【1】

第1回目の今回は、7200年前の沖縄に多くのブタがいたことを明らかにした、名古屋大学と沖縄県立埋蔵文化財センターの共同研究をご紹介します。

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沖縄にはブタを使った料理も多くて、沖縄の食文化とブタは切っても切り離せない関係ですよね。

ブタは、人間が飼いならした野生のイノシシが、長い年月をかけて家畜化した動物です。沖縄にはイノシシの骨が出土する遺跡がたくさんあるのですが、実はイノシシではなくてブタの骨なのではないか…?と議論されてきました。

そこで、沖縄中部にある「野国のぐに貝塚」という縄文遺跡から出土したイノシシの骨を調べてみると、そのほとんどが本当にブタだった!とわかりました。

イノシシからブタへの家畜化の過程で現れる下顎したあごの骨の凹みが多くに観察されたのです。骨の年代測定も行うと、縄文時代早期の終わり頃と推定されました。

ただ、この時代の日本は、まだブタを家畜として飼育していません。
ということは、すでにブタを家畜としていた中国から持ち込まれたと考えられます。

縄文時代、日本は中国大陸との交流がほとんどなかったと言われてきましたが、実はあったのかも…そんな新たな議論も生まれそうです。

研究を行った新美倫子にいみみちこ准教授は、今回存在が明らかになった縄文時代のブタが中国のどこから来たのかをつきとめるために、同じ時代の中国のいろいろな遺跡から出土したブタの骨と比較していく予定だそうです。そして、これら古い時代のブタが、現代のリュウキュウイノシシや沖縄在来のアグー豚とどのような関係にあるのかも調べていきたいとのことです。

詳しくは、2021年4月6日付けの名古屋大学研究プレスリリースもご覧ください!

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