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名古屋大学 研究フロントライン

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ポッドキャスト番組「名古屋大学 研究フロントライン」をテキストでお届けします♪ 名古屋大学の最近の研究の話題を、週に1回、柔らかめのトーンで紹介しています。
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2022年7月の記事一覧

64. “見る”ことのできない宇宙の始まり。重力波でその証拠をつかめ!

これは宇宙誕生直後のお話。 10のマイナス34乗秒の間に、宇宙は数十桁も膨張したと考えられています。これをインフレーションと呼びます。まさに瞬きも追いつかないほどの瞬間的な出来事でした。その後、超高温・超高密度の”火の玉”宇宙となり、やがて今の宇宙へと姿を変えていきました。 インフレーションを始めとした初期宇宙の姿は、理論やいくつかの観測情報をもとにその存在が強く示唆されるようになってきました。一方で、これが正しいとする決定的な証拠はまだ得られていません。 その理由の一

65. 巨大翼竜は空を飛べなかった!? 力学計算から見えてきた新事実

第66回目の今回は、絶滅した翼竜や鳥類の飛行方法を、力学計算で調べた研究を紹介します。理学研究科修士2年、成瀬美玖です。 絶滅動物の飛行方法が計算でわかる!? 古生物図鑑や古生物が主役の映画に登場する、翼を広げた状態で10 mにもなるような巨大な翼竜や鳥類。これら絶滅した鳥類や翼竜は、実際にはどのように飛んでいたのでしょうか? 例えば大型鳥類のコンドルは、羽ばたいて飛行するのではなく、風や気流を使用した滑空(ソアリング)をしながら飛行を行います。絶滅した大型鳥類も同様に