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名古屋大学 研究フロントライン

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ポッドキャスト番組「名古屋大学 研究フロントライン」をテキストでお届けします♪ 名古屋大学の最近の研究の話題を、週に1回、柔らかめのトーンで紹介しています。
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2022年6月の記事一覧

63. 線虫さん、ちょっとそういう遺伝子ありませんか?

怖い、悲しい、仕方ない、考えたくない… そのように思われがちな老化や死について、先日の名大カフェ「1ミリの虫に問う 仕組まれた老化と死のシナリオ」で、脳の老化を研究する野間健太郎准教授(理学研究科)にお話を伺いました。 トークの中で、「死や老化は、仕方がないっていうことじゃなくて、生き物の設計図に仕組まれてるんじゃないか」と語る野間教授。それを説明する3種類の線虫を、顕微鏡をつないでライブで見せてくれました。 注)ニョロっとした動きや虫が苦手な方は、閲覧ご注意ください!

名大N研、宇宙138億年の謎に挑む

名古屋大学には、つくばにある大型加速器 SuperKEKB を使った Belle Ⅱ実験を、世界26カ国1000人以上の研究者と共に推し進める研究室があります。N研です。 名大研究フロントラインでは、N研の研究活動を取材し、約6分の動画にまとめました。このページでは、動画のシーンを追いながら撮影の裏側をお伝えするとともに、N研のみなさんのことばに込められた思いにもう一歩踏み込みます。 0:05 「加速器はタイムマシンのようなもの」 ヘルメット姿でお話するのは、N研を主導

62. 環境中の「鉄」が、温暖化予測を変えるかも!?

第62回目の今回は、海が大気中から吸収する鉄に関する研究を紹介します。 経済学研究科修士2年の堀内愛歩です。 皆さんが、「鉄」と聞くと、鉄棒とか鉄パイプとか、硬くて重そうなものを想像するかと思います。でも実は、大気中にもエアロゾルと呼ばれる微粒子として存在します。この大気中の鉄が海に溶け込み、海中の植物プランクトンや海藻の光合成の材料となります。ですから、もし海へ溶け込む鉄が不足すると、海の植物が光合成を十分に行えず、大気から吸収する二酸化炭素が減ってしまいます。つまり、地

素粒子宇宙円卓会議#2 |異なる視点から暗黒物質を探索

「KMIの研究者と、KMIサイエンスコミュニケーションチームと名大研究フロントラインメンバーが台本なしに交流し、どのような相互作用が生まれるのか」という切り口で、KMI研究者をゲストに迎え、素粒子宇宙対話をポッドキャスト配信する本企画。 番組趣旨を語った第一回に続き、初めて研究者ゲストを迎える今回は、風間慎吾さん(KMI/宇宙地球環境研究所 准教授)と奥村暁さん(宇宙地球環境研究所/KMI 講師)をお招きし、オンラインでお話を伺いました。 風間さんと奥村さんの研究の共通キ

61. 「入浴で脂肪が落ちる」 皮膚時計が関与

お風呂のダイエット効果というと、体温が上がって、汗をかいて、代謝がよくなるから…そういったイメージを持たれるかもしれません。でも実は… でも実は、皮膚にある体内時計が関与しているようだ…、自身の実験データからそう話すのは、生命農学研究科の小田裕昭准教授。運営する栄養生化学研究室は、名古屋大学では少ない栄養学を専門にする研究室で、時間栄養学などを専門に研究を行っています。 今回の実験では、脂質が多めのエサを食べて太ったラットを、1日10分、 10日間連続で入浴させました。湯

6月の名大カフェは、老化のお話です

「自分の老化した顔、想像できますか?」 そう尋ねるのは、名古屋大学で老化を研究する野間健太郎准教授。 見せてくれたのが、こちらの画像です。 世の中にはすごいアプリがあるようですね💦 「老化が他人事じゃなくなりますよ」と話す野間准教授は、神経(脳)の老化に特化した研究を行っています。 20代から始まるという脳の老化。大人のみなさん、人の名前をなかなか思い出せなかったり、小学生と神経衰弱をやってボロ負けしたり…、経験ありませんか? 「老化は避けることができない経年劣化と

62. Tiny Workers, Big Job|触媒研究を語る(理学研究科 特任助教 Katinka Wondergemさん)

名古屋大学には、海外から来て活躍されている研究者がたくさんいます。今回は、その一人、Katinka Wondergemさんにインタビューしました。 My name is Katinka Wondergem, I am Designated Assistant Professor and Science Communicator here at Nagoya University. I have a PhD in chemistry from Utrecht Universi