見出し画像

【卒研】研究室選びに必要なこと【後編:自分に合った研究室選び】

 こんにちは。なごーやんです。

 前回の記事では、「ブラック研究室か、ホワイト研究室か」ということを書きました。
 本稿では、「自分に合った研究室を選ぶにあたって考えるべきこと」を、ものすごくざっくりですが紹介したいと思います。

 とはいえ、これは正直言って優先度はものすごく低いです。なぜかと言えば、例えば興味ある研究でもブラックな研究室では、やる気が根こそぎ奪われ「使命感」に追われて勉強や研究をすることになるからです。正直「研究内容が合わない」よりも、ブラックなほうがよっぽど辛いです。前回の記事をご覧になっていない方は、まずはそちらをご覧ください。
 本記事は「それでも研究室迷っている人向け」となっておりますので、軽く眺めて下されば幸いです。

 ※当方情報系学生につき、自分の経験を基に本記事を作成しております。そのため「これじゃ参考にならない」というケースがあるかと思います。それについては申し訳ございません。他の記事をご覧ください。

 ※本記事は卒業研究未経験者のために執筆しております。もし、研究を今されている方からすれば、もしかしたら参考にならないかもしれません。その点ご了承ください。

1.自分の興味はどこへ向いているだろう?

画像2

 これは、分野が狭い学問を専攻している学生がよくぶち当たる問題かと思います。

 「どの研究室に行こうかな~。自分はロボット作りたいからロボットの研究室かな!」と思っていざ研究室を調べてみると、同一学科内でも例えば医療用ロボット、家事代行ロボット、位置を検知して動くロボット、温度を検知して動くロボット……1つの分野から、さらに枝分かれした分野を専攻している先生が複数人いる場合があります。

 さて、こうした場合、どのようにして決めたらよいでしょう?

 私がオススメする方法は、

①友達や先輩に興味について話す
②実際に研究室の先生とお話してみる

です!
 どちらの場合も「自分の興味を人にしゃべる」ということで一致しています。とはいえ、先生と友達では得られる情報の内容が違います。

 ①友達や先輩に話す
 親しい友達やよく話す先輩がいる場合、その人に自分の興味について話してみましょう。すると、自分の興味がどこに向いているかを整理でき、より絞ることができるかもしれません。
 また、もしかしたら、話した相手が自分の興味にあった研究室を知っているかもしれません。おすすめの研究室を教えてもらったら、その研究室の説明会に参加してみるのもよいでしょう。

 さらに、話し相手が研究室の内情を知っていることもあります。前回の記事でも話した通り、ブラックな研究室の情報はここで得られることが多いです。
 研究室の内情は先生からは直接的には絶対に聞けません(先生すら「あそこはヤバい」とか言っている様なら相当嫌われているはずです)。自分の興味の方向が一致している研究室について、内情はどのようなものかについて話を聞き、自分に合う研究室を決めるのもよいでしょう。

 ②先生と面談
 分からない場合は、先生のところに直接突撃するのもよいでしょう。
 先生の具体的な研究テーマ、先輩たちの研究などいろんなことを聞くことができます。面談を行っていく中で、先生が自分の興味に合う研究室を教えてくれるかもしれません。

 「○○について研究したいのですが、○○という単語がホームページにあったので引き付けられてここに来ました」

 お恥ずかしながら、これは私が進学する大学院の研究室を決めるときに、実際に面談で先生に話した言葉です。当時伺った先生はとてもお優しく、興味を持った経緯を聞いてくださったり、そこからオススメの研究室を教えてくださいました。
 研究室選びで迷っている場合、このように話してみるのもいいと思います。正直に話してOKです。似た分野の先生が多い場合は、ことに先生同士が交流を持っている可能性が高いので、思い切って興味のある研究内容を相談してみるのもよいでしょう。
 また、先生と面談をすることで、先生の人間性がわかることもあります。(前回の記事にもある通り、面談時からブラック研究室の先生の発言はヤバかった)ここで「やべえなこいつ」って思った先生は、だいたい研究室でもそんな感じの横柄な態度や学生に無関心な態度で接してくることが多いです。面談で「この人外れだなあ」「あんまり一緒に研究してて話ができそうにないなあ」と思ったら、素直に引きましょう。

2.研究に対するモチベーションはどれくらい?

画像1

 「卒業研究」、どれほど打ち込んでいきたいですか?

 どれにも興味がない、あるいは興味の向く方向にある研究室が複数あって選べない、という人はこれが主な観点となることでしょう。

 とりあえず単位だけ取って卒業したい人。自分の好きなことをとにかく極めたい人。将来研究職に就きたい人。研究職とはいかずとも、仕事と関連付けたい人。
 いろいろいると思います。筆者は「とりあえず単位だけ取って卒業したい」タイプです。

 ここで、選択をミスると「うわあ、研究がつまらない、モチベーションが上がらない。研究が辛い。」と、どんどん研究をやることができなくなります。(多分ですが私がそのタイプです。)

 考えてみましょう。単位だけとって卒業したいし、何にも興味がない人が、「幅広いテーマの中から、自分で興味があるのを選んでね」と言われた場合、果たして自分にとってよい研究テーマを見つけることができるでしょうか?私は無理です。

 研究室には様々な分け方が人によってあると思いますが、私から見ればこう大別できると思います。

・概念など、広くざっくりした分野(例:「ビジュアルデザイン」)を専門とした研究室
・専門的な用語が並ぶ、狭く高度な分野(例:「データベース」)を専門とした研究室

 前者の場合、概念系のものが多いので、「広い範囲から自分が好きなものをピックアップし、そこからまた研究テーマを決める」必要性があります。私が当初いたのはこういう研究室でした。
 こういう研究室では、「卒研は好きなことを存分にやりたい!」という人向けです。その分野の先生や先輩が自分の好きなことをやっていれば、その先輩や先生のもとで研究をすればきっと大成するでしょう。
 デメリットとしては、こういう研究室では早々に論文を読まされたり、自分どころか誰も知識のない技術などを自習しなければならなかったりする点です。1人1人似て非なるテーマをやっているだけならまだしも、Aさんは写真の選別、BさんはCGを使った技術の開発……と言う風にやっていれば、完全に「1人で研究をする」という体制になってしまいます。
 前記事でも言いましたが、研究を初心者の学生1人でやるのは大変困難です。そのため、先生とのコミュニケーションが非常に重要となってきます。ゆえに、「大きい(幅広い)分野の研究室」を卒研の研究室として選びたい場合、先生と相談がしやすいかを非常に良く確認しておく必要があります。

 対し、後者の場合、とっても狭い専門的な分野を学ぶため、最初から教科書を使った勉強会などが充実しています。聞いている限り、「データベース」「ネットワーク」などのように、狭い分野の場合、とにかく最初は勉強会を行うところが多いようです。次に配属されたピュアホワイト研究室はこのような狭く深く系の研究室です。
 このような研究室では、下地となる勉強を最初に行うため、非常にテーマ決めや方針などがスムーズに進むことが多いです。また、狭い分野を集中して勉強するため、非常に論文が読みやすくなるというメリットもあります。さらに、先輩がやっていた研究をそのまま引き継いで行うケースもままあるようです。このような研究室は、「単位だけ取りたい人」あるいは「分野を集中的に極めたい人」が向いているでしょう。

 以上、私的「モチベーションから見る研究室の選び方」でした。
 卒研をやる上で、モチベーションの問題は避けられません。卒業は絶対したいから卒業さえさせてくれれば~、と思う人、一方で研究をバリバリやりたい!という人、両方いると思います。私の経験則ですが、単位取りたいだけの人は「専門系」「狭く深く系」を選ぶほうが、手厚く教育をしてもらえるので無難かなあと思います。

3.【重要】コミュニケーションはどれくらいとれそう?

画像3

 え、自分コミュ障だしどうせコミュニケーションなんて誰ともとれないし……
 え、自分あんまり他人と喋らないし……
 え、研究って1人でやるものでしょ?

 と思っているそこの貴方。そんな考えは捨ててください!!!

 研究は先生たちとの会話の連続です。
 研究室で絶対に行われるゼミは、一対一でやることはまずありません。大体は研究室全体、人によっては他の研究室の先生とも行います。
 研究方針を決めるとき、絶対に1人では決めません。自分の興味や能力と照らし合わせながら、よく相談して決めます。
 研究で悩みが出てきた時、メールでも対面でも必ず先生や信頼できる先輩に相談することになります。1人では絶対にやりません。

 私たち学生は研究生としてはよわよわのあかちゃんです。そのため、よっぽど頭のいい人でない限り、1人でできることはまずないです。先生や先輩とのコミュニケーションは、非常に大事になっています。
 研究室で必ず行われるゼミでは、先生や先輩の前で発表し、質問を受けたり自分の研究の状態について相談したりします。ゼミの空気が淀んでいれば相談なぞできません!また、先生や先輩に気を遣うゼミになってしまえば、おのずと研究が「自分のため」ではなく「先生のため」にシフトしてしまい、研究が進みません!

 というわけで、最低でもコミュニケーションを取れるか、あるいは取りやすいか、は重視してください。研究は相談ごとの連続です。相談させてくれなさそうな先生は即座にやめましょう。

 また、人によっては、「積極的に声を掛けてくれる人のほうが嬉しい」「声を掛けてもらうより、メールのほうが相談しやすい」などとコミュニケーションの形態に違いが出ると思います。そのため、自分にとってできるだけ相談しやすそうな先生を選びましょう。

 繰り返しますが、相談させてくれない先生はやめましょう。この辺は、1.にも書いたように、先生や先輩などに相談したうえで決めましょう。

4.抽選に漏れた……興味ある研究室は全部研究生の枠埋まってる……詰んだ……という人へ

画像4

「研究室の抽選落ちた。●本●ね」

 人数の多い大学や、研究で使える資源が限られている研究室では、起こりがちな問題かと思います。私の友人にも、第一志望の研究室に落ちて、別の研究室を志望した人がいました。
 彼女の場合、もともと志望していた研究室が2つあり、第一志望には落ちたものの、第二志望の研究室はまだ枠が空いていたため、第二志望にしていた研究室に入ることができました。

 しかし、問題は「志望していた研究室に抽選で落ちた(´;ω;`)」「興味のある研究室、全部枠が埋まっちゃってるよう(´;ω;`)」となってしまった場合。研究室見学も説明会も終わってしまい、まったく調べる手立てがない……。ブラックな研究室にも行きたくないし……。
 実は、私も研究室を移る際、全く同じ問題に直面しました。枠が空いている研究室がない、ブラックな研究室はもう嫌だ、でもどの研究室もあんまり行きたくない……
 この場合、どうしたらよいでしょう?


 答えは簡単です。「自分のタイプに合う研究室」を選べばよいのです。

 前回の記事でも述べましたが、私は学期途中で研究室を変えてもらった身でした。そのため、とにかく研究室が無い。あったとして、授業の時に苦手意識を持っていた先生、あるいはブラックと噂される研究室ばかり……


「ええ……またブラック研究室なん……?人生終了や……」

画像5

 マジでそう思いました。

 しかし、私はあることをして、この危機を乗り切りました。それは……

「現在大学院に通う先輩に訊く」

一択です。

 その学部学科を卒業した先輩なら、知っています。他の研究室の進み具合はどうか、卒業はさせてくれそうか、面倒見はよいか、研究生の様子はどうだったか……。
 TwitterでもLINEでも、直接質問するでも構いません。「今残ってる研究室がこれなんですが、この中でオススメはありませんか?」と尋ねてみましょう。
 私は、学科長からいただいた、枠の残っている研究室のリストを先輩に見せました。そして、オススメされた研究室に入ることにしました。

 そうしたらヤバい。快適。授業の時に声が大きい先生だったので苦手意識があり避けていた先生でしたが、ゼミの時には至って普通の声量で喋っていました。

 というわけで、研究室に落ち、詰んでしまった場合は、必ず先輩にオススメを訊くようにしましょう。先輩の噂を聞ける、という意味では、これはブラック研究室予防にもつながります。
 ここで面倒見のいい先生を選べれば、きっとよい研究室生活を送ることができるでしょう。研究室落ちた?くじけちゃダメ。諦めない。研究室選びは、選びきるまでが研究室選びです。

5.おわりに

画像6

 いかがだったでしょうか。
 今回は、自分に合う研究室の探し方をお教えしました。

 とはいえ、ほとんどが「人に聞け!!!話せ!!!」でしたけどね()

 人の意見に耳を傾けるのは、本当に大事です。聞け。とにかく聞け。失敗しないためには、まずは内部事情を知ることが非常に大切です。

 また、卒業研究は大学での学びの集大成となります。本当に大事な時期です。その大事な時期を無理なく過ごせるよう、自分に合った研究室を選びましょう。

 ここまでの長文・乱文にお付き合いくださりありがとうございました。
 どうか、貴方の卒研ライフが幸せなものでありますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?