煮豚のある休日
一つ最初にはっきりしておきたい事がある。
叉焼と煮豚は違うものである。
という事である。
叉焼(チャーシャオ)といえば叉焼肉、豚肉をさすまた状の串にさして直火で炙り焼きにしたものである。
またオーブン等で焼いた場合もある。
とのことである。
かたや煮豚とは串焼きやオーブン焼きの手間を簡略した料理と私は考えている。
事前に豚を調味料に漬け込んだり、オーブンの余熱もせずに豚肉を買ってきてすぐにとりかかれる為である。
という事で私の作り方を簡単に解説していこうと思う。
まず私の場合は豚バラ肉の表面を焼いていく。
これはいわゆる獣臭を取り除き、焼き目の香ばしさをつける為である。
このように全体、まんべんなく焼く。
でてきた脂は只のラードなので、野菜炒めでも作って貰えれば無駄が無い。
鍋に移し、ニンニク、生姜、葱の少し乾燥した部分等入れて煮る。
細かい順序もほとんど関係無い。
だいたいの割合としては醤油:砂糖が2:1くらいである。
煮詰める加減によるので量は適当で良いのだ。
水はかぶるくらいで濃ければ足せばよいし、薄ければ煮詰めれば良い(もちろん調味料を入れても良い)。
これの良いところは味が濃いのでだいたい何を入れても成立するところだ。
連休前に開封した樽ビールが余れば水の代わりに使って良いし(本はとれない、捨てるのがもったいないだけである)、気の抜けたコーラでも良い(両者とも砂糖は減らす)。
この手の料理は下手にヘルシーに薄味でなんて考えるとロクな仕上がりにならない。
脂の多い物は味濃く、獣や血の臭いの有るものには生姜やニンニク等。
自然の形に合わせて調理するのが大事な事であって無駄に奇抜な手を使うのは調理人のエゴである。
そんな訳で味の濃い肉ばかり食べては体に良くないので付け合わせを作ろう。
新じゃがを茹でる。
日本は縦に長いので鹿児島産から北海道産までほぼ年中新じゃがが食べれる、じゃがいも王国である。
無論、味の濃い豚と相性がよい。
肉を一端取り出した煮汁に玉ねぎ、シメジ、人参を入れ(下茹でしても良いが私は野菜の味が煮汁に出るのを好む)煮えたら
肉を戻し、そのまま冷ます。
ここから更に煮ると肉が固くなる。
中心は柔らかく仕上げたいなら余熱と再加熱で味を染ませるのが良い方法である。
他の具材が冷めたらタッパーか何かに取り出し、煮汁を煮詰めるついでにじゃがいもを入れ絡めてやる。
自分の好きな味になったら火を止め完成である。
食べるときに温め直し。切り分けて盛り付ければ(沢山作って何回かに分けて食べるなら食べる分だけ温め直してね)完成である。
調理に時間だけはかかるが適当でも美味しくなるので土曜日にでも作っていただきたい。
映画でも見ながら作って、そのまま晩酌に。
次の日は袋ラーメンでも作って乗せれば中々のものになる。
皆さまも冷蔵庫に煮豚のある休日を楽しまれる事を切に願う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?