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手術室に連れていったもの〈前編〉@入院中

手術前に麻酔科の先生と面談し、当日の流れを説明していただいた時「御守りなど、手術に持っていきたい物はありますか?」と聞かれた。
御守りは義母や義姉からいただいた。
罰あたりな日本人ですが、御守りそのものより気持ちが嬉しいのです。
御守り持って行ったって、ねぇ? (←天誅が下るぞ)
「いえ、持っていきたい物はないです」

【手術前日】
手術当日の流れを看護師さんと再確認する。
看「お水やお茶は朝6:30までです」
私「はい(直前までチビチビ飲んでやる)」
看「お着替えもお願いしますね。弾性ストッキングを履いて。あ、点滴がもう付いているので、看護師がお着替えのお手伝いをしますね」
私「はい」
看「手術室に持っていきたい物、御守りなどありますか?」
また聞かれたよ。
持っていかれる方がよほど多いんだろうな。
私「あのう、抱き枕持っていってもいいですか?」
ベッドの抱き枕を指差した。

以前飼っていた柴犬が、お気に入りだった抱き枕。

看「あっ、お子さまがぬいぐるみを持っていく事はありますので先生に聞いてみますね」
とたんに恥ずかしくなった。
だって、50過ぎのおばさんだぜ~~(笑)
私「あのっ、やっぱりダメならダメで大丈夫なんで聞かなくていいです」
テンパってもはや何言ってるんだか。

すんなりOKが出た。
言ってみるもんだな。

手術前日は怖くてしくしく泣いてました。

【手術当日】
朝8:30。
着替えはすっかり完了。
抱き枕の準備もしてる。
お迎えが来ました(あの世からの、じゃないよ)。
ネットで調べると、病室から手術室までの通路を、患者さんの不安を取り除き寄り添ってくださる役割りみたいですね。
終始笑顔で話しかけてくれる。
抱き枕を見た看護師さんに、エレベーター内で「かわいいワンちゃんですね。名前はあるんですか?」と聞かれた。
「あーちゃんです」と言うと、とたんに涙がにじんできた。
あーちゃんは以前飼っていた犬の名前なんです。
家族の話は、会いたくて淋しくなるから涙が出ます。

オペ室前の自動ドアが開くと、そこは……

つづく

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