10年間、魔女のキキに勇気づけられてきたアラフォーの話
昭和生まれの私はジブリ作品と共に成長してきて、だいたいの作品をなんらかの形で見てきている。きっと誰もがその道を通ってきたかのように。
子供が生まれてから、ジブリ作品を見る機会が増えた。現代のテクノロジーをふんだんに使ったアニメーションに疲れた時、日本人ならばジブリ作品を子供に見せたいと思うことが誰でもあるのではないだろうか。
大人になってからジブリの作品を見ると、また違った感情に出会える。ジブリ作品は世代を繋ぐ、きっとこれからも繋いでいく。
その中でも私が一番好きな作品は「魔女の宅急便」。
魔女のキキが13歳で、住み慣れた土地を離れ独り立ちし、人とは違う能力を持つこと、使命を持つことに悩みながらも、自分らしい生き方を見つけていく。
私はそんなキキにひどく励まされるのだ。
韓国人の夫と結婚して、韓国のソウルに移り住んでもうすぐ10年になる。結婚するまでは韓国語も話せなかったし、韓国に行きたいと思ったことも、好きだと思ったことも一度もなかった。
ただ結婚したいと思った人が韓国人だった。それだけだった。
韓国は日本から近い国だけれど、いつまでも私にとってはやっぱり外国だ。
周りの考え方と合わなかったり、合わせなければいけなかったり、自分の持つ考えを隠したくなったり、思うように動けなくて、落ち込むこともやっぱりある。
落ち込むたびに、私はこの映画を観て来た。そしてキキに勇気づけられた。
キキの強さとひたむきさを見ると、私も私が日本で生まれ育ったからこそ得ることができた感覚や考えを活かして、韓国のソウルで10年もの月日を過ごしてきたからこそ、特別になれるのではないのかと思える。
「人とは違う」ことは生きていくのに、いくらでも「武器」にできる。
「落ち込むことも多いけど、私、この街が好きです。」
キキが映画の最後に、両親に宛てた手紙の中に書いた言葉。
韓国に来てもうすぐ10年。いろんなことがあった。だけど私は最近、やっとこの言葉が言えそうな気がする。
※写真は新婚旅行で訪れたクロアチアの写真。魔女の宅急便の舞台になったらしい。
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