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空酔い


近まる足音   紅引く白居易
唱和で幕開け   咳き込む薫り

飛び交う浮名   飛び散る哄笑
今宵は異人も入り乱れ

パーティーグラスに溺れる魚
無限に   夢幻に堕ちていく

浴びる水増し   少女も空酔い
脇目振らせりゃ色狂い

溶ける甘さに水も狂わせ   前後不覚の酔い心地

宴もたけなわ   今日はお開き
居残る無粋は馬鹿ばかり




パーティーをお題に詩を書く課題がありました。

眠気まなこで殴り書きしたものを読み返してみて
これパーティーっぽくない詩だなぁ。
と思いながらもちょっとお気に入りです。

たけだのイメージは
西洋のキラキラ貴族の華やかパーティーって
言うよりかは唐時代の宴って感じです。

「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」という夢枕獏さんが書かれた小説があります。

その小説を原作とした「空海〜美しき王妃の謎〜」という映画を見た時、その美しさに衝撃を受けました。
6年もの月日を費やして制作した大掛かりなセットに、美しい演者の方々。
レンタルビデオ屋さんで何度も何度も借りました。

その世界観で今回この詩を書いてみました。

集まってくる煌びやかな客人。
世に名を轟かす有名人や著名人。
唐時代、白居易などの著名な歌人も皇帝や貴妃の宴に呼ばれたそうです。

そんな人々がめかしこんで、場を踏む鮮やかな宴。
乾杯の唱和で幕を開ける宴は、
料理や酒や香水の匂いで夜を惑わせる。

人が集まり流れる噂。
どっと生まれる笑い声。
至る所で狂い咲き。
今夜ばかりは立場も身分も入り乱れ。

時間が下るにつれて回る酒。
酔ってしまえば水でも酒でも見境なし。
浴びるように水で薄まった酒が振る舞われ、
使用人の少女も空酔い。
ふと気を抜くと至る所で色狂い。

時間が経つと酒に溶けていく甘さ。甘くなる酒。
前後不覚の酔い心地。

もう宴もたけなわ。
今日はお開きに致しましょう。
祭りのあとは何も残らない。
無人のまま迎える暁。
居残る無粋は馬鹿ばかり。



今日は素敵な課題にルンルン。

今日も独り言にお付き合い頂き、ありがとうございます。
素敵な一日をお過ごしください。

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