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詩のフリーマーケット


詩人は筆を執っている
はたと瞬きを重ねる間に
彼の前で一生が展開する
彼には一瞬が一生に見える
熱い溜息を吐く
その間に   詩人は一生を逃す

詩人の筆は走っている
追いかけては迫り
急かされては立ち止まる

詩人の筆は走る   走る
絹を広げた光の束は
金魚の尾が踊り
墨に染まる
そうして何時か藺草の匂いに帰着する
その間に詩人は   一日を逃す

詩人の筆は折られてしもうた
神の梯子が降りた
彼はその幸福の雨に降られたくて
創造を捨てた
どこまでも澄んだ視界に
ありのままの裸を晒す
詩人は一生を一瞬に想った
白百合が首を垂れて
こちらこちらと手招いている
詩人は静かに土に潜った

神の梯子

様の梯子が降りてきた
光の束は街を照らして
僕はその幸福の雨に降られたくて
崩れそうな街を走った

水溜まりに気が付かなくて
白いスニーカーに空の色が映った

横断歩道だけは歩いて渡った
白と黒はそう簡単に割り切れるものじゃないからね

お腹が空いたから泣きながらおにぎりを食べた
涙の塩味が悪くない塩梅だった

柔らかな光の束は
僕にだって優しかった
ただその真ん中に佇む君は
胡桃色の髪をなびかせて
その姿があまりに美しくて参った

星屑を散らしたきみたちへ

二人の少女がいてね
それがびっくり  そっくりなんだよ
背丈も  目の色も  星屑を散らしたそばかすも

双子なの?
と聞くと
違うよ  私たちはふたりで一人なの
と言った

だけど一人は庭の大木に向かって駆けだして
膨らんだ蕾に向かって背伸びした
あまりに無邪気に笑うものだから
僕は
蝶みたいだな
と思った
だけど今考えたら
あんな所に大木なぞあったかな

一人は重い足取りで僕の後を着いてきた
行かないの?
と聞くと
虫がいるから
と言った
春は嫌い
とも言った
今は夏じゃないか
と僕が笑うと
少女は首を揺すって
私達は春に閉じ込められているから
と言った
だから僕は
そうか、今は春なのか
と思った

三人で  青い不透明の中を歩いた
本当に一人なの?  別人なんじゃない?
少女らは答えるかわりに
鈴をころがすように笑った

二人は  僕を置いて  星間を泳いでいった
軌跡は
近づいて  離れて  絡まって  解けて
夏の盛り  最後は一本になった

夜明けの藍にオレンジの雨、

本当に腹立たしいのだが
私の怒りの座標は奴ではない

ほら奴だよ
空が闇から明けようとする頃
その藍の中にオレンジの雨を降らす街路灯
日向雨のように予想を超えて
鮮烈に   いつも全部持っていくのさ
羨望も   愛も   虹彩さえも
丸ごと盗んでいくのさ

でも奴じゃない
(0.少女)   (少女.0)
いやもしくは   (少女.少女)
例の座標はそんなところだ

彼女は灼けるようなその雨にさえ
笑顔で降られるのだよ
雨もやどらず   足踏みもせず
少女は朝を撃ち放つ

無鉄砲な朝は   
琥珀に閉じ込められて   
視界は透明に

私が本当に羨んでいるのは
藍もオレンジもすり替えてゆく
座標(少女.少女)なのかもしれない



みなさん
こんにちは、こんばんは。

たけだです。

お久しぶりです。
気付けば年を跨いでいた、たけだです。

今回は、ここ最近私が思い付いては書き溜めていた
たった4つの詩(詩と呼ぶのか、これを)を
成仏させようと思います。

大学生活も気付けばもう一年が過ぎようとしており、驚きが隠せません。

小説を書く授業やら文学研究のゼミやら
学びたいことが明確で良かったなと改めて
感じるここ最近。

書きたくない日は何も手に付かないし、
書きたい日は際限なく書き続けてしまいます。

書ける日は世界を変えるかもしれないと思うし、
書けない日は滅法書けません。

書き続けるって一番難しいのかもしれません。


最近本屋さんや古本屋さんに行く機会が多いです。

基本的に私は背表紙とタイトルで、
もっ、本当に第一印象で本を選びます。

そうして「星へ行く船」のような
素敵過ぎる本に出逢えたのです。

最近はきらきらしたり、極限まで淡い色の表紙に
惹かれます。
夕方の空のような、綿菓子みたいな色です。

たけだには、ビビっとくるキラーワードがあります。
法則はまだ自分でも発見できていませんが、その言葉を見つけると無条件に気になってしまうようです。

先日は東野圭吾さんの小説「夢幻花」を購入しました。

多分これまで見たタイトルの中で、一番たけだに刺さった小説でした。

夢   幻   花   星屑   金木犀   金平糖   宇宙   雨   藍

今ぱっと思い付いたのはこんな感じ。

たけだの心を掴んで離さないキラーワードたちです。

素敵な言葉ってやっぱりすぐそこに転がってて
大切に一つずつ見つけて拾って繋いで
世界を広げて行けたらと思うのです。

最近ビビっときた言葉たちは

「冬はもう何も言わない」
「もうどうしようも無い沈黙」

こういうワード見付けるのも作るのも
好きです得意です。

相変わらず言いたいことは纏まりませんが、たけだは今日も素敵な言葉に囲まれた一日を過ごしました。

今日の帰り道考えていたのは、
冬の暮れ際って数学の放物線だな、と。

冬は空が暮れ始める時間、早い。
17時過ぎたら真っ暗です。
だけど暮れ始めてから、闇に落ちるまでが本当に早い。

さっきまで綿菓子みたいな色をしていたと思ったら、すぐに真っ暗闇です。

空に向かって思い切りボールを投げた時と同じ。
最初はふわっと浮遊感。
だけど落ちる時にはもう何も待ってくれません。

似てるなあ。

本格的に独り言となって参りました。
出直してきます。

どうか皆様、2022年も一年どうか
よろしくお願い致します。

新年〜〜寅年🐯

今日も独り言にお付き合いいただき、ありがとうございます。
素敵な一日をお過ごしください。

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