そんなこというてへん(Twitter副音声:220321)

関西弁(と言っても色々あるはずだが、今回は大阪~神戸辺りを想定)では「言って」は「言うて」となり、発音は「ゆうて」にある。

「言うても、~」という構文や「そんなこと言うてへん」などの表現は結構頻繁に使うので、つい「ゆうても」と打ち込んでしまいたくなるが、それだと変換できない。
あくまで「言う」の読みは「いう」であって、「ゆう」ではないらしい。

「言う」を「ゆう」と慣用的に読むのは全国共通だと思うが、単純に「言う」を「ゆう」と読むだけなら「いう」に置換できるので、「いう」と入力して変換しても違和感がない。
一方「言うて」の場合、「ゆうて」と読むことはあっても「いうて」と読むことはないので、「い・う・て」と入力し変換する必要がある。
全く使わない音の列を入力してから変換することになるので、結構気持ち悪い。
最近は妥協して「言っても」とかにすることが多いかな。

そもそも方言というものは話し言葉であって、書き言葉には適用できない概念なのかもしれない。
そういえば山陰や南四国に住んでいる親戚からの手紙は、特に方言を感じさせないものだった気がするな。
テレビ等で標準語(NHK語?)も普及しているし、方言だけで国語を習うというのもイメージできない。
僕だって年賀状を書くときに関西弁全開で行くことは無いし、やはり書き言葉と話し言葉で方言の有無を明瞭に区別するというのが常識なのかもしれない。
ならば方言がタイピング後に変換できなくても納得だ。

とすると、ややこしいのはSNSなどのチャット・つぶやきだ。
書き言葉・話し言葉という視点で見るとチャットはどちらにも分類し難い特殊な位置に置かれる。
文字として書かれているわけなので書き言葉ではあるのだが、各内容は話し言葉そのものであることも多い。
漫画や小説のセリフと同じ立ち位置かな。
僕なんかは話す内容や対象に応じて文体を使い分けているので、それに伴って標準語的表現/関西弁も切り替わる。

だから、話し言葉的に、思った音をそのまま打ち込みたくなる時がある。
こうなるとコテコテの関西弁の文が出来上がるわけだが、その中には変換できない表現が結構ある。
変換せずにひらがなで放っておくのもなんかコレジャナイので、いちいち書き言葉的に変換し直し、時には必要な漢字だけを音読みで打ち込んで調整したりする。

この辺にチャットやつぶやきという媒体の特異性から生まれる歪みみたいなものを感じる。
「いうてへん」なんて言うてへんのに。

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