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記憶の引出し

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機能不全家族だった我が家の記録です。書いて吐き出すことで自分の感情が整理できていければいいなと思っています。
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記事一覧

かつて子供だった私達は、大人になっても見えない檻の中で過ごしている

「実家を売ってもいいかって」 電話を終えた夫が告げた一言で、私は相手が誰かを悟った。 「好…

nagomi
1年前
49

守るために傷付けていた

蚊に刺されたときは、バッテンをするといい。 子供の私に、そう教えたのは誰だったのだろう。…

nagomi
2年前
54

歪に凹んだのは冷蔵庫だけではなかったのに

姉から届いた年賀状に私の名前は無かった。それなのにどうして年賀状など送ってくるのだろうか…

nagomi
2年前
59

心に傷を負ったとき

心に傷を負ったとき、あなたならどうしますか。 すぐに手当てをしますか。 自然に治るまでじ…

nagomi
2年前
71

家族だから逃げてはいけないのだろうか?

姉から逃げている。 ラインをブロックし、携帯は着信拒否をして、家の電話線は引っこ抜いた。 …

nagomi
2年前
106

私は息子と手をつなげない

三男が私の手をそっと握った。 数ヶ月前、夫と三男と3人でアウトレットモールに出掛けた時の…

nagomi
2年前
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底のない沼に足を突っ込みながら、それでも地面を踏みしめたいと願う

私の幼少期は、威圧的で差別と罵倒を繰り返す父と、体罰と束縛で支配する母に怯えながら過ごす日々だった。温かい家庭を知らずに育った姉と私は、思春期になってようやく自分たちの置かれた環境が、他とは違う『普通』ではないことに気付いた。 しかし気付いたところで、どうにかできる訳でもない。変わらない両親の前で、変わりたいともがく心の葛藤を無理やり抑え込みながら、安心とはほど遠い場所で、ただ思考を停止して淡々と生きていくしかなかった。 いつだっただろうか。 機能不全家族という言葉を知っ

だから私は夢の中で叫ぶ

夢を見た。 いつ振りだろう。夢の中に父が現れた。 姉と私が自分達の家族の写真を部屋いっぱ…

nagomi
2年前
43

言葉の雨は、いつまで経っても降り止まない

私の母は身体が小さい。身長148㎝で体重は40kgあるかないか。その小さな身体で、母なりに…

nagomi
2年前
60

世界の全てが押し入れの中でも構わなかった

「押し入れに入ってなさい」 小学校低学年の頃、母はよくそう命じた。 何をしたのかは覚えて…

nagomi
3年前
114

私の世界に色がついたのは、いつからだろう

先月、布団たたきで子供を殴打し怪我をさせたとして父親が捕まる事件があった。そのニュースを…

nagomi
3年前
66

「しんどい」と言える子供になりたかった

小学2年生の時、熱を出して学校を休んだ。病院へ行って薬をもらい、部屋でずっと寝ていた。翌…

nagomi
3年前
26

安全な場所 #8月31日の夜に

私の住んでいる地域では、先週から学校が始まった。まだ暑い中を、子供たちはダラダラ汗を流し…

nagomi
3年前
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