底のない沼に足を突っ込みながら、それでも地面を踏みしめたいと願う
私の幼少期は、威圧的で差別と罵倒を繰り返す父と、体罰と束縛で支配する母に怯えながら過ごす日々だった。温かい家庭を知らずに育った姉と私は、思春期になってようやく自分たちの置かれた環境が、他とは違う『普通』ではないことに気付いた。
しかし気付いたところで、どうにかできる訳でもない。変わらない両親の前で、変わりたいともがく心の葛藤を無理やり抑え込みながら、安心とはほど遠い場所で、ただ思考を停止して淡々と生きていくしかなかった。
いつだっただろうか。
機能不全家族という言葉を知っ