『夢でね、』

いやな夢をみた

いやなことはいつも
変にぎらついているものだ
だから太陽が照るたび、鋭く光って目が痛い

でもね
それがこわくて瞼を閉じたなら
必ずまた夢をみるでしょう?

いつか君が言ったように、
今日は火星でデートをしよう
きちんと印をつけてから眠ってね
待ち合わせの場所、はじめて行くから
ちゃんと落ち合えるように

太陽から少しでも遠くに一緒に逃げよう
そうしたら目をあけて、赤茶けた大地を踏み締めて、
今度こそ全部わすれられたらいいな

そんなふうに思ったら、涙みたいに言葉が溢れる
けれどそれはいつもおまじないのようで、君を騙しているみたいだ

ほらもう黙って眠ろう

うん、またね、夢でね、

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