見出し画像

北の湖から -2022晩秋- 『2度沈んだ街シューパロ』

着陸態勢に入った機体。高度を下げ、旋回を始める。傾いた機体から、窓の外を眺めると、未だに胆振いぶり地震(2018年)の爪痕が生々しい。土砂崩れしたまま、復興の進まない山容を、じっと見つめる。

◇◇

はーい
今回のシリーズは、北の大地からお送りしてま~す。
なぐツーはじまるよっ!

今回は、4つの湖周辺を巡るタビ。シシャモとサンマの刺身を探す旅。そして、秋本番紅葉を満喫するたびなのだ。

さっそく、ひとつめの湖へ向かうよ!
目的地は、夕張市にある「シューパロ湖

前回のクイズ、第一問の正解はシューパロ湖でした! コメント頂いた方ありがとうございました。


道草のススメ

シューパロ湖の前に寄り道、ミチクサをしよう。
小学校時代、まっすぐ家に帰ってくることは稀有であった(汗)カタツムリが大量にいる秘密の小径こみち。ザクロをこっそりつまみ食いしたり・・

オイラの旅の基本は、今も道草なのかも知れない。だから、カーナビが嫌いなのだ。

はーい、ひとつめの寄り道。
夕張川沿い、「滝の上公園」

平日にも関わらずクルマがずらり。ナンバープレートを眺めると「わ」ナンバーが少ない。地元の方に愛されている証拠だ。


お弁当・・ガマン


公園のメイン 千鳥ヶ滝(夕張川)

30分ほど公園内を散策。


『腹が減った、お昼にしよう』(井之頭五郎:孤独のグルメ風)

お昼、お昼・・・夕張と言えば! これ!


かれーそばー

器に顔を近づけると、スパイスの香りがぶわっと鼻腔をくすぐる。蕎麦をすする。少し塩味が強めの出汁カレー味。そして、スパイスの辛さが時間差で来る。おぉ、徐々に汗が噴き出てくる。豚カルビと玉ねぎも、良いわき役です。
麺を食べ終えた後、グワーッっと汁を飲み干したくなります。

ここは、新夕張駅前の「栗下食堂」、正午より前に入ることをお勧めします。正午を過ぎると、平日でも行列必至。地元民も愛する「カレー蕎麦」ぜひご賞味あれ。

そう!お隣のお店には、クマがでます(笑)


メロン熊の家 触れると嚙みつくぞ~

グッズも売ってました。「メロン熊ノート(おとなよう)」がお勧め、仕事で使って、周りをビビらせよう!(笑)

シューパロダム

「ダムカード」をご存知だろうか? ダムなんて・・見ても・・と、昔は思っていた。ところが、実際に訪れてみると、巨大さに圧倒される。そして、建築美に惚れる。ハマる理由が徐々にわかってきた。

シューパロ湖は、シューパロダムが出来たことによって出来た人造湖である。いや、違う。1960年代に夕張炭鉱に電力を供給していた「大夕張ダム」を造った際に出来た湖だ。

最盛期には、2万人が暮らしたという大夕張地区の暮らしを支えたダムでもあった、夕張炭鉱が閉鎖されるまでは・・
そんな人々が暮らした街、鉄橋鉄道などのインフラ、そしてなんと大夕張ダムまで、丸ごと呑み込んで水没させたのが、シューパロダム。いやはやスケールが大きすぎて理解できない。ダムを丸ごと沈めるダムなんて、


湖底には、街が眠る


8月の渇水期には、かつての街並みが顔を出す。水没した街を歩くイベントも開催されているようなので、廃墟ファンの方は一度訪れてみてはいかが?

ちなみに、シューパロの語源は、アイヌ語。シ(本当の)+ユーパロ(鉱泉の湧出する所)という意味らしい。そう、「ユーパロ=夕張」です。


大夕張線

最後にもう一か所、寄り道したい場所があった。

しゃしょうしつ って、舌を噛みそう

寄り道したいばしょとは


石炭と材木、そして人を乗せて走っていた鉄道。



ラッセル車 と 送迎バス(奥)

ここは、かつての南大夕張駅。列車内の見学もできる。

実は、私が初めて北海道を訪れた1986年、国鉄最後の年。この駅はまだ使われていたらしい。走っている姿を見てみたかった。チャンスがあっただけに悔やまれる。(ワイド周遊券というやつで、20日間乗り放題、学割もきいた夢の切符だった。)


日本を支えた石炭産業、資源を掘りつくした後は、自然エネルギー(水力発電)のために水没。ふたたび人が住まない場所に戻ったシューパロ。

そんな場所を
シューパロ湖(鉱泉の湧出する所)
って、名付けるのは悪趣味じゃないのかな・・


さて、、

宿に戻ろう。
そして、今回の目的である「シシャモの握り」は、食べられるのか、想いは「叶う」のか

今夜行くのは、もちろん、「叶寿司


(つづく…)



前回の記事は、こちら



最後まで読んで頂き、ありがとうございます😊 コメントも、励みになります。是非どうぞ! サポートは、旅先でのお酒に・・