鬼で乙女? で涙? 【酒日記】
若竹(大村屋酒造場) [静岡県]
<2021年02月飲>
あれ? 前回、あれほど「続けて同じ銘柄は飲まない!」と、豪語していたのに、同じ銘柄じゃないの? まぁまぁ、それには理由(わけ)が・・・
今回も、静岡のお酒を紹介しま~す。 鬼で乙女なお酒です!あ~! 怒らないで! なんだか女性を敵に回しそうな・・・お酒の紹介です。
突然ですが、お酒の味を左右するものと言えば?
「水」 「お米」 「酵母」 「麹」
と、杜氏の(技術+愛情)
ピンポン!
昔、「YK35」というのが、うまい日本酒の方程式と、もてはやされた時代がありました。KY35、「空気の読めない35歳」 ではなく YK35、
Y:山田錦というお米、K:協会9号という酵母、35:精米歩合35%、という組合せで、お酒を造ることが流行ったんですね。(精米歩合の説明については、別の機会に、、 (#^^#) )
ところが!
これだと、全国どこに行っても よ~く似た傾向のお酒になってしまいます。だって原材料が同じなんだもん。しかも、Yさんは兵庫出身、K君は熊本出身なんです。このままでは、静岡のお酒が他県の原料に乗っ取られてしまう!
「しぞーからしいお酒を造るだ」「そうだそうだ」
ということで、「打倒Y」静岡産のお米を作るプロジェクトが始まった! 開発秘話は、某放送協会に任せておきましょう ♫
風の中のすばる~♫ 砂の中の銀河~♪
(歌作詞作曲:中島みゆき)
苦節10年 ついに
「誉富士」 ほまれふじぃー (声:ドラえもん)
静岡独自のお米(酒米)の完成である。
◇◇
またまた、前置きが長くなりました。汗)
そう! この「鬼乙女」は、静岡のお米、静岡の酵母、もちろんお水も美味しい静岡産で、造られた、純粋静岡娘なのだ。
やっぱり「地酒」は、こうでなくっちゃ!
では、インプレッションいってみよう!
まず、香り、
先日紹介した立春朝搾りより、少し香りが立っている。「朝搾り」くんは甘い香りを感じたが、「乙女」さんは、もう少しいい匂い(って、おじさんが言うと。。)
乙女さんは、いわゆる吟醸香がたつ。ただ、食事の邪魔をしない程度の控えめな香りだ。
次は、味、
「朝搾り」くんの方が、米の旨味がぐわっと広がる。そして少し尖った、わんぱく少年のような感じだ。「乙女」さんは、すう~っと口の中に入って来て、いったん消えるかな~と思った後に、辛みがジンとくる。米の旨味、余韻が上品。
やさしくとも凛としている、ラベル絵の角隠しは伊達じゃない、鬼なのだ。(違う!だから、女性の方、怒らないで!) 輪郭のあるお酒なのに柔らかい感じもする。そして、名前にある「涙」。名前に引っ張られたのかもしれませんが、若干の塩味を感じるのは気のせい?
◇◇
この塩味と米の旨味のおかげで、やさしい魚介類に合うお酒です。「朝搾り」くんのお供は、黒はんぺんだったけど、「乙女」さんは・・・静岡つながりの食事でいうと・・・
うなぎの刺身なんてどうでしょう! 脂がのって、歯ごたえもあって、噛むほどに旨味がでてくる、美味しいよ! もみじおろしポン酢でどうぞ!
銘柄: 若竹 鬼乙女 涙 特別純米生酒
精米歩合60%
アルコール分16度
日本酒度 +5
酸度 1.5
アミノ酸度 1.2
静岡県産米 誉富士100%使用
評価: ★★★★
甘み3、酸味2、苦味4、旨味5、香り3
価格: 1,380円、コスパ:◎
実は、このお酒を買ってお会計を済ませ、ふと横をみたら「朝搾り」くんの予約表が、レジ横に置いてあったんです!
「あ~!」これも飲みたい、と即予約。 ということで、滅多にない同じ蔵元の連続購入でした。
独断と偏見の評価としては★4つ、★3つの「朝搾り」くんと僅差だったのですが、差をつけた方が、読者の方にも分かりやすいかなと思った次第です。
ということで、私の好みは「乙女」ちゃんです。(鬼は、苦手です・・・)
(おしまい)
[企画:清水のぼる、文:なぐなぐ]
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