相対化の時代

2021年。
コロナ渦の日本において。
ついに東京五輪は国民的バッシングにさらされた。
中止を求める署名は30万にも達し、調査でも過半数の国民が中止を望む結果に。
暗い世相の中、国民の心に癒しと勇気を与えたのは、鬼滅の刃を始めとするアニメと、オンラインでゆるくつながるゲームだった。

たぶん5年前にさかのぼってこんなこと言うても誰も信じないと思います。
東京五輪を機にスポーツやそれに携わる人々は天上人みたいな扱いになってるはずだとあの当時は考えられてましたから。

かと言って
「体育会系の陽キャの時代はもう終わり。これからは我々オタクの時代だ」
「いままでよくも俺らオタクをいじめてくれたな。陰キャ陰キャと世間にバカにされて、本当に辛かったんだぞ。これからはお前ら体育会系がいじめられる番なんだよ」
なんてことを私は思いません。

むしろこれから来るのは「相対化」の時代です。

ここで言う相対化とは。
個人の趣味嗜好や好悪が、社会的に序列化されたり権威化されたり人物評価の材料や社会的善悪と結びつけて語られることがなくなり、その人が何が好きで何が嫌いでも、個人の選択として尊重される。
そういう社会です。

例えば
「クラシックを聴くのは高尚。ロックは不良」
「いい年した大人が漫画など読むものではない」
「ゲームなんて百害あって一利なし」
「スポーツをやってる人は根性があって立派な人間だ。企業にも重用される」
「ポルノは社会悪」
的なやつです。

こういう風潮に苦しめられてきた人は多いはずです。

もちろんそういう風潮がカウンター性としてコンテンツの魅力を後押ししてきた面は否めませんが。
負の側面の方が大きい。

そもそも本当にその文化が好きなら、社会的風潮がどうあれ愛するだろうし。
人間の愛が形が変われど尊重される社会であってほしいです。
大変な時期だからこそ、明るい未来を描きたいものです。

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