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立春大吉

2月第2週の食とココロの処方箋。

2月4日は立春でした。

立春といえば、旧暦の新年。

立春大吉

「立春大吉」と書かれたお札を見たことがあるでしょうか。

新しい年の始まりである立春の朝に、今年1年の厄除けの願いを込めて玄関などに貼る風習があります。

もともとは禅宗のお寺の門に貼っていたものが、庶民にも広がって一般家庭でも貼るようになったそうです。

左右対称


この文字を縦書きで見ると、左右対称になっていて、裏から見ても同じく「立春大吉」と読めるから不思議です。

自分で書いたものを貼るのもいいそうですから、新春の書初めのように筆を持ってみるのもいいのではないでしょうか。

2022年が良い年になりますように、皆さまの健康を願ってこの番組をお届けしていきたいと思います。



最初のコーナーは、今週の暦です。

一年を24に分けた二十四節気と、さらに三分割して72に分けた「七十二候」をご紹介しています。

二十四節気は、2月4日から18日まで「立春」。

春の始まりであり、旧暦では新しい年の始まり。

江戸時代に書かれた暦の解説書「暦便覧(こよみべんらん)」には、「春の気立つをもってなり」とあり、春の気配が感じられる頃とされています。

まだまだ寒い中ではありますが、日差しや風に真冬とは違った匂いが感じられる頃ですね。

七十二候は、2月4日から8日まで立春の初候「東風解凍(はるかぜ こおりをとく)」、春を呼ぶ風が氷を解かす頃。

この「はるかぜ」は、「東風(ひがしかぜ)」と書きます。

これは中国の陰陽五行説に由来していて、春は方角でいうと東に当たることから、東の風と書いて「はるかぜ」と読んでいます。

七十二候の一番目がこの「東風解凍」ですが、太陽が昇る東の方向は、まさに始まりのイメージですね。

9日から13日までは、次候「黄鶯睍睆(うぐいす なく)」、まだ寒い山里で鶯(うぐいす)が鳴き始める頃。

うぐいすは、春を告げる鳥「春告鳥(はるつげどり)」とも呼ばれていて、春が訪れたことを知らせてくれます。

初めての鳴き声を「初音(はつね)」といいますが、鳴き始めはあまり上手でなく、練習してだんだんうまくなっていくそうですよ。

14日から18日までは、末候「魚上氷(うお こおりをいずる)」、解け始めた氷の上に魚たちが躍り上がる頃。

冬の間静寂に包まれていた自然界でも、動物たちが動き出してだんだん活発になってくる様子が描かれています。

二十四節気、七十二候は、一巡して立春からまた新しいサイクルが始まりました。

二十四節気は、それぞれの季節の始まりである「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の「四立(しりゅう)」と、「夏至」「冬至」の「二至(にし)」・「春分」「秋分」の「二分(にぶん)」で「二至二分(にしにぶん)」の8つの節を軸に、一年を24に分けています。

この八節、特に二至二分は現代の暦でも馴染み深いものですね。

二十四節気の名前は、「春分の日」のように節気の始まりの日を指すこともあれば、期間全体を「春分」と呼ぶこともあります。

1つの節気は約15日。

大まかに言うと1月を2つに分けていて、前半を節気、後半を中気と呼んでいます。

例えば新暦の2月(旧暦の1月)は、前半が立春、後半が雨水となります。

この二十四節気を、さらに細かく分けたものが七十二候。

15日を約5日ずつ3つに分けて、「初候」「次候」「末候」として、一年を72に分けたものです。

季節が少しずつ変わっていく様子が、豊かな感性で描かれています。

二十四節気も七十二候も中国から伝わったものですが、七十二候は、日本の気候風土に合わせて何度か改訂されているようです。

空や風の様子、植物、動物、虫たちの動きなど、季節の移ろいを細かく捉えて表現されていて、二十四節気とは違った味わいがありますね。

さらに、「八十八夜」や「二百十日」のように、立春から数えた日にちによって決められた日本独自の「雑節」もあって、農作業の目安にされたり、注意する時期とされるなど大切にされてきました。

何月何日何曜日と、日付と曜日のわかるカレンダーは、現代の生活の中では欠かせないものとなっていますが、季節の移ろいに目を向けてみると、時の流れがちょっと違って見えるかもしれませんね。


産業医 さくらばちほ
「食とココロの処方箋」 レインボータウンFM88.5Mhz

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