北風と極夜

人より歩みが遅いことはそんなにも悪なんだろうか。
私は出来損ないなのだろうか。
人生終わりなのだろうか。
生きててはいけないのだろうか。
そのくせして楽に死ぬことも許されない。
せめて死ぬときぐらい苦しめってか。

私の生き方(生き方と言っても、なりたくてこうなったわけではない)では、酷い逆風を何度も目の当たりにする。それも冷たい冷たい北風。多分同じ状況に立たされた人間にしかこの感覚は「絶対に」分からないと思う。どんな生き方があってもいい、みたいなおとぎ話は、健全な心身を持ったものだけに許された舞台であって、そもそも健全な心身を持っていたらこんな路地裏には来ていないというか。そんなジレンマをひしひしと感じる。寝たふりしながら泣くことがまた増えた気がする。北風が涙を冷やして、心が風邪をひく。

はやく普通になりたい。普通になるために今日もヘラヘラしていないとね。

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